データマネジメントを推進する独自のフレームワークとは?
同社では、長年の経験をもとにした独自のフレームワークとメソッドを用意している。ビジネスに合わせたデータ品質向上、データ管理活動を企画するために、「『構想策定フェーズ』で、現状に即した打ち手とその根拠が腹落ちできるようにし、その後の『構築・実装フェーズ』に進むことを推奨しています」と沖崎氏は述べる。
上記のフレームワークの特徴は「構想策定支援」「データ構築」「データ運用」の3フェーズでの支援だ。これにより、データに関する課題を「データライフサイクル」を通じて解決できるという。また、特定のシステムやツールに依存していない点もポイントだ。データに着目し、データマネジメント活動の企画から構築、運用までを一貫してサポートできるものになっている。
加えて、データマネジメントを継続・定着させるポイントが記載された「メソッドテンプレート」も用意していると沖崎氏。必要に応じてカスタマイズできるため、スピード感のある支援を実現できると自信を見せた。
なお、同社が提供するソリューションは、4つの軸に沿って分類されている。1つ目は「データマネジメント」。データの統合や整備などに関する、以下の5つの支援を内包している。
- データ統合支援:MDMツールの導入、統合システム構築にともなうデータ統合の支援を行う
- データ整備支援:データの整備、クレンジング、名寄せ支援のほか、データの定期整備運用も支援する
- データ移行支援:システム更改の際に、データ移行を支援する
- データ診断・構想立案支援:データ品質やデータ構造、データ運用プロセスの診断結果をもとに、あるべき姿の構造立案を支援する
- データモデリング作成支援:データモデリングをもとに現状データを可視化し、あるべき姿のto-beデータモデルの作成を支援する
2つ目の軸である「データガバナンス」では、データ統合・整備ができた後、それを維持・管理するために、役割や運用ルールを定める支援を行う。組織あるいはサプライチェーンを横断し、データガバナンスを効かせるためには、共通化するプロセスが必要だからだ。それに対応するため同社では、グループ会社を含めてデータガバナンスを効かせる「データガバナンスの組織横断展開支援」と、データ基盤を継続的に活用できるようにするための「データガバナンス適用支援」を提供している。
3つ目の軸は「データ活用」。データ活用を支えるソリューションは3つあり、同社では以下のような支援を行っているという。
- データアナリティクス支援:企業内のデータサイエンティストやアナリストらがデータを活用する際のデータ活用に耐えうるデータ加工や準備、またそこから作られたデータマートの管理方法、その運用ルール策定などを支援する
- データカタログ支援:メタデータの収集や構築、運用、カタログツールの検討などを支援。効率的にデータ活用・分析を行う際、用意されたデータをどう管理していくべきかまで踏み込んで支援する
- オリジナル研修・教育支援:実際に使われているBIツールやデータウェアハウスを活用し、各事業部からキーマンを集めてデータ活用をリアルに体感してもらう
4つ目の軸である「データ戦略」のソリューションには、「データマネジメントアドバイザリー支援」がある。これは、データマネジメントの重要性をトップマネジメントに理解・納得してもらうための支援だ。その他にも「データマネジメント戦略検討支援」があり、これはデータマネジメントの活動を組織に導入し定着化させる際、外部の巻き込み方、必要なタイミング、運用ルールの策定などをアドバイスする。
「このように、データマネジメント活動に必要な支援を、導入フェーズごとにご用意しています」と沖崎氏。机上のロジックだけでなく、実戦経験が豊富なメンバーが作成したアセット、各社の風土や組織の実情に合わせたデータガバナンスの導入の支援が可能だと、同社のソリューションの特長を強調し、講演を締めくくった。