Workdayは、ユーザーがWorkdayおよびサードパーティが提供するAIエージェントを一元管理できる「Agent System of Record」を発表した。同機能は、エージェントAIの活用を進める企業がデジタルワークフォースを効果的に統治・管理・最適化するために必要な機能を提供するとしている。
具体的には、AIエージェントの導入から、役割と責任の定義、効果の分析、コストの予算化と予測、コンプライアンス対応、継続的な改善の促進までを効率的かつ安全に行えるよう支援。企業全体で利用されるAIエージェントを管理する単一のシステムを提供することで、AIエージェントの業務への効果の透明化と制御を可能するとのことだ。
Agent System of Recordが提供する主な機能
- 一元管理:すべてのAIエージェントを単一システム上で管理し、AIエージェントによる効果や効率性を見える化
- AIエージェント導入の一元化:新たに導入するAIエージェントの役割やスキル、関連データへの安全なアクセスを定義することで、Time to Value(価値を実感できるまでの時間)を加速
- コストの管理と最適化:AIエージェントの予算、予測、ROIの最適化を行い、ビジネス成果を効率的かつ効果的に出しているかどうかを確認できる
- セキュリティとコンプライアンスの確保:設定の自動化、アクセス制御、ポリシー適用を活用することでリスクを軽減し、安心してエージェントを導入できる
- リアルタイムなオペレーションの可視化:AIエージェントの活動のモニタリングや、ポリシーの実施、リアルタイムでコスト追跡をすることで、パフォーマンスとROIの最適化を図る。最適なパフォーマンスを実現するために、AIエージェントのリアルタイムなアイデンティティ管理、オーケストレーション、コストのモニタリングを行うことで、エージェントを継続的に監視
また、Workdayは新たにAIエージェントを追加することを発表した。これらのAI エージェントも、Agent System of Recordで導入・管理できるという。現在市場に存在する多くのAIエージェントは、特定のタスクに対して指示通りに動作する仕組みであるのに対し、同社が提供するロールベースのAIエージェントは、設定可能な「スキル」を備えているとのことだ。これにより、高い自律性を持って担当者の業務をより包括的にサポートすることが可能だとしている。
新たなAIエージェントは以下のとおり。
- 契約管理エージェント:企業にある契約を定期的に分析し、非構造化データに埋もれがちな契約上の責任や改善の機会を顕在化。その情報を活用して、事業価値を最大化し、リスクを軽減するためのアクションにつなげる
- 給与管理エージェント:間違った給与データを特定し、更新する。また、監査ワークフローの自動化や、洞察の提供、修正案の提案を行う。コンプライアンス(法令順守)を確認しながら、システムのアップデートを行う
- 会計監査エージェント:監査プロセスを効率化し、リスクを減らすために、散在するビジネス資料を読み取り、取引の監視や残高照合、内部統制の確認を行う。また、監査法人が自社のWorkdayユーザー企業と連携するアプリケーション開発を可能にする
- ポリシー エージェント:企業が定める最新の内部規定や方針などを継続的に読み取り、従業員やマネージャーが必要とする時にリアルタイムでその情報を提供。これにより、シンプルなセルフサービス体験を実現し、コンプライアンスが向上するとともに、HRヘルプデスク担当者がより重要な問題解決に集中できるようになる
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