Boxは、「Box AIプラットフォーム」の次の進化となる、組織のコンテンツの扱い方を変革させる新たな「Box AIエージェント」を発表した。
この新しいイノベーションにより、顧客はAIエージェントによる検索、ディープリサーチ、強化されたデータ抽出に活用し、業界をリードするセキュリティとコンプライアンス基準を保ちながらも、Box上のコンテンツからより多くの価値を引き出せるという。
Box AIエージェント
Box AIエージェントは、5つの核となるコンポーネントを融合させることで価値を提供する多層的なアプローチで構築されているという。Boxの中にある企業のナレッジを探し出し、AmazonやAnthropic、Google、IBM、Meta、OpenAI、xAIといったAIモデルから適したモデルを活用。エージェントは目的に沿って、一連の構造化された指示に従って動作し、作業を完了するためのツールを備えているという。ユーザーはBox AIエージェントと対話することで、コンテンツから洞察を引き出し、企業のワークフローを自動化できるとしている。Box AIエージェントは、Box AI Studioでカスタマイズすることも可能とのことだ。
- 新しいAI搭載の検索機能:簡単な検索では、契約書の有効期限や会議メモの顧客名など、的を絞った回答を表示。より複雑なクエリに対しては、高精度のセマンティック分析を使用して、コンテンツの関係性と洞察を明らかにする
- ディープリサーチ機能:Box AIエージェントは、大量の企業コンテンツを分析して意味や傾向を抽出し、Boxのセキュアで権限に配慮したRAG(検索拡張生成)フレームワークを使用して、最も関連性の高いファイルを自動的に特定。エージェントが調査結果をわかりやすいアウトプットに統合し、チームが分断されたファイルを整理することなく、意思決定に集中できるよう支援する
- 強化されたデータ抽出:スキャンしたPDF、画像、手書きフォームなどの非構造化コンテンツを、構造化された実用的なデータに変換。光学式文字認識(OCR)、文書インテリジェンス、自然言語処理を使用して、Box AIエージェントは日付、財務数値、契約条項の種類、用語などの情報を自動的に抽出する
マイクロソフトとの連携によりエージェントエコシステムを拡大
BoxはMicrosoft 365 Copilot向けの新しいAIエージェントの提供を開始し、Microsoft TeamsやWord、PowerPoint、Copilot Chatで利用可能になったという。これにより、ユーザーはマイクロソフトのツール内で直接、Boxのコンテンツを安全に検索、分析、操作できるとしている。同連携により、両社のユーザーは次のことができるという。
- 一連のドキュメントを分析し、より良い意思決定のための洞察や情報を抽出
- 既存のテンプレートを活用して、シンプルなプロンプトから新しいコンテンツを作成
- 複数のドキュメントを横断的に検索/照会し、パターン、洞察、アクションアイテムを特定することで、検索と傾向分析を実現
- 特定の質問をすることでマイルストーンを定義し、プロジェクトのトラッキングと関係者とのコミュニケーションを向上
新しいBox AIエージェントを搭載するBox AIプラットフォームは、今後数ヵ月のうちに提供予定で、価格は一般販売開始間近に発表するとのことだ。
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