IBMグループのApptioは、AIおよびハイブリッドITへの投資によるROIの最大化を支援する、2つの新機能「AI TCO & Usage」と「Hybrid IT TCO Impact」の提供開始を発表した。
これらの新機能は、組織全体でハイブリッドおよびマルチクラウド戦略を統合的に管理できるよう設計されているとのことだ。
AI TCO & Usageにより、AI施策にかかる支出とパフォーマンスを継続的に可視化し、ビジネス価値を向上させるという。また、Hybrid IT TCO Impactは、ハイブリッド環境におけるアプリケーション移行による財務影響を可視化するとしている。
これらの新機能は、ITファイナンス管理、FinOps、戦略的ポートフォリオ管理を網羅する「TBM(Technology Business Management)」の方法論を実践する SaaSソリューション群に加わるとのこと。これらのソリューションは、IT戦略をビジネス価値や成果へ結びつけることを目的として、統合的に設計されているという。
コストの把握における盲点を解消できるよう、Hybrid IT TCO Impactは包括的なコストの可視化機能を提供。環境全体のアプリケーションのTCOやユニットコストを把握し、変化し続ける移行のニーズに応じて戦略を調整することで、コスト削減と効率化を実現するとしている。
AI TCO & Usageは、AI施策全体の総コストとビジネス価値を把握し、支出の最適化、成果の測定、および導入拡大を支援するという。状況を明確に把握することで、より的確な投資判断が可能となり、ソリューションの導入促進や全社的なAIによる効果の最大化につなげられるとのことだ。
加えて、以下のような活用が可能だという。
- AI投資のライフサイクルを通じて、AIモデルおよびソリューション全体に関わる発生中のコストと利用状況を可視化し、説明責任を果たせる
- AIに関わるTCOの傾向や異常値を継続的に監視し、クラウド、ベンダー、人件費といった細かなコスト要因の可視化を通じて、各事業部におけるAIの導入状況と利用状況を明らかにすることで、AIの乱立状態(スプロール)を未然に防ぐ
- ユニットコストを用いてAI投資のビジネス価値を評価することで、的確なAIの導入拡大の意思決定ができ、組織全体での主体的なコスト意識を持ったAI利用とショーバック(配賦額の可視化)を実現
Hybrid IT TCO Impactは、「IBM Apptio Costing」で利用可能なソリューションで、ITインフラのハイブリッド化が進む中でのアプリケーション移行の財務影響を可視化するとのこと。主な特徴は以下のとおり。
- 財務の透明性:ハイブリッドIT環境全体のコスト変化やROIを把握し、アプリケーション移行による財務的な影響を明らかに。この情報をもとに、クラウドとオンプレミス間のコストバランスを最適化できる
- 一元管理:オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドの全体像を単一のビューに統合し、ハイブリッドIT環境を横断的に可視化
- 包括的なインサイト:アプリケーション移行の進捗状況を明確に把握することで、組織全体のクラウド戦略や財務目標との整合性を確保できる
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