自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin」のデモを見て、即座に導入を決定
みずほ証券がAI駆動開発という新たなパラダイムへと本格的に舵を切った背景には、業界全体に共通する「慢性的なIT人材の不足」の課題があったという。
GitHub CopilotなどのAIコーディング支援ツールは有用ではあったが、あくまで人間のエンジニアが主導権を握り、細かな指示を与えながら作業を補完する“支援”の領域に留まっていた。しかし、人材不足の課題を根本的に解決するためには「人間をサポートするツール」という役割を超えて、自律的に思考し、タスクの段取りから実行までを担える「AIエージェント」の存在が不可欠だ。
CoEチームの立ち上げメンバーとして課題に向き合ってきた同社 IT統括部 次長 竹田周平氏は、「CoEチームでは単なる改善ではなく、人海戦術では成し得ない“テクノロジーを活用した”抜本的な生産性向上というキャッチフレーズを掲げ、新たな仕組みを作ってきました」と、AI駆動開発への移行を目指した当時の思いを語る。
そんな折、長年同社のIT戦略を伴走支援してきたULSコンサルティングに紹介を受けたのが、自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin」だった。Devinは自然言語で与えられた指示を自ら解釈し、必要な情報の検索や環境の構築、コーディング作業、エラー発生時の自律的なデバッグ、そしてテストに至るまでの一連のソフトウェア開発プロセスを一気通貫で完遂する能力を備えるとされる。
当時、ULSコンサルティングの担当者によるDevinのデモが行われたが、短時間のうちにAIエージェントが自律的にシステムを作り上げていく様子を目の当たりにして、その場に集まっていたみずほ証券の開発部門のキーマンたちは一様に驚きの声をあげたという。杉谷氏も、このデモを一目見ただけで即座にDevinの導入を決めたと語る。
「デモを見た翌日には、IT部門の各部長に対して『これを最短で導入する』と宣言しました。他社との競争力を高めるために、いち早くDevinを導入して使いこなす必要があったのです。また、Devinの利用コストとエンジニアの稼働コストを比較しても、圧倒的にDevinのほうが安価です。致命的な懸念事項がない限り、まずは使い始めるべきだと役員に説明し、スムーズに承認を得ました」(杉谷氏)
こうしてみずほ証券は2025年12月、Devin利用に関する正式な契約締結へと至った。
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吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)
早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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