名古屋鉄道(名鉄)は、乗務員約1,500名の現場DXおよび情報共有基盤として、アステリアのデジタルコンテンツプラットフォーム「Handbook X(ハンドブック エックス)」を導入。資料更新の準備時間を短縮するなどの業務改善を実現したという。
近年、日本国内では南海トラフをはじめとした自然災害や通信キャリアのシステム障害などにともない、企業のBCPにおける通信途絶時の対策の重要性が高まっているとのこと。特に、地下や山間部を走行し、非常時こそ迅速な判断が求められる鉄道現場では、クラウドツールの導入は「電波がないと動かない」ということが導入のハードルになっていたという。
名古屋鉄道は、情報共有の迅速化と正確性の向上を目的に、2023年から乗務員へのタブレット端末の携行を開始。ダイヤ、各種規程類、マニュアルなどのペーパーレス化により、従来の紙マニュアルの重量や検索コストに起因する現場負担の軽減を図ってきたとのことだ。
また、従来の紙資料による運用は持ち運びの不便さに加えて、一部の改訂であっても約1,500名分の印刷・配布・差し替えに約3週間かかっていたため、これらの業務の効率化が求められていたという。しかし、実際の現場へのデジタルツール導入には「会社用メールアドレスがない乗務員の存在」や、「トンネルや山間部などの電波が通らないエリアでの電子資料の閲覧が必須」という、コストやIT環境の制約といった課題があったとしている。
そこで名古屋鉄道は、オフライン環境での閲覧が可能で、個人メールアドレスを必要としないHandbook Xを、2025年9月に導入したと述べている。メールアドレスがなくても全ユーザーが任意のIDでログイン可能なマルチID設計を活用し、約 1,500名の全乗務員が閲覧する様々な資料をデジタル化し、以下の業務効率化や作業工数・コストの削減を実現しているとのことだ。
- 3週間を要していた1,000ページ以上の資料更新を1時間程度に短縮し、配布も一括で完了
- 規程類やダイヤ、行路表に加え、津波避難マップなど20種以上の資料を一元格納して共有
- オフライン環境でも閲覧が可能で、電波不通などの非常時でも確実な情報参照を実現
- 資料のデジタル化による検索性向上で複数のマニュアルから目的の資料を即座に参照可能

また、各乗務区で独自に追加した資料が他の乗務区でも展開可能となったことで、効果や評価の高い資料を相互に活用し合う双方向の運用も実現。加えて、シニア層が若手層へアプリの操作方法を尋ねるなど、従来になかった世代間コミュニケーションの活性化が生じているほか、休暇申請など社内手続きのURLをアプリ内に集約することで業務効率化を図るなど、現場主導による業務のデジタル化も展開されているという。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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