中堅・中小企業向けの運用管理ツールブランドを統一
日立製作所は2010年10月、中堅・中小企業の専任のIT運用管理担当者でなくてもかんたんに導入し、運用できるパッケージソフトウェアのブランド「Hitachi IT Operations」シリーズの出荷を開始した。リリースされたのはクライアントPCの管理を行うHitachi IT Operations Director(以下、Director)と、サーバー/ネットワーク/ストレージの稼働監視を行うHitachi IT Operations Analyzer(以下、Analyzer)の2製品だ。
いずれも中堅・中小企業を対象に日立が独自に設計した製品で、「やりたいことが、かんたんにできる」を主要なコンセプトにしている。というのは、販売ターゲットの企業におけるシステム管理担当者は総務などとの兼務が多い。そのため、誰でも見てすぐに理解できるように画面をデザインし、直感的に分かるGUI操作などの機能設計が行われている。
実はDirectorは、2009年9月から国内で販売されていたJP1 Ready SeriesのクライアントPC管理製品Desktop Navigationが元になっている。一方Analyzerは同年4月から海外で販売されていた製品だ。それを今回、Hitachi IT Operationsブランドに一本化した。発売から短期間でブランドを再編した理由について日立製作所の雨宮廣和氏は「製品がいずれも好評であり、同じく中堅・中小企業をターゲットにした製品であれば、ワールドワイドの市場を視野に、開発を一本化した方が効率的と判断した」と説明する。ブランド統一と同時に、機能強化のバージョンアップも行われている。
クライアントPCのセキュリティ、資産管理を容易化
まずDirectorは、クライアントPCの資産、ライセンス、セキュリティ管理を行う製品になる。ホーム画面だけで、管理しているクライアントPCの現状が一目瞭然で分かる。確認できるのは、使用されているライセンス数、危険なPC、新たに接続された機器、不正インストール、更新プログラムなどのセキュリティ対策の現状などだ。
例えば「ソフトウェアライセンスの管理」では、PCにインストールされているソフトウェアの情報を自動収集し、利用数を集計する。ライセンス数だけでなく、インストールを認めていないPCを識別し、必要があればDirectorから強制削除可能になっている。
セキュリティ対策では、USBメモリーの利用を制限し、メールによるデータ持ちだし操作なども把握することで、情報漏えいのリスクを軽減できる。社内のセキュリティ状況やIT資産の管理状況を示した、グラフや表を用いたレポートを、1クリックで作成、表示できる。
Directorの基本ライセンス料は、管理対象のPC100ノードで40万円からとなっている。