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クラウド連携は、データ連携からプロセス間の高度な連携へ~クラウド連携の3 つのステップ~


オンプレミスとクラウドのデータ連携から、複数のクラウドサービスを相互連携するような高度な要求も増えている。さらには、クラウドでのプロセスを連携させた処理やトランザクション処理の要求が今後は増える傾向にあるだろう。これらを実現するには、それぞれのクラウドサービスの特長や制約を把握し、どのようなアーキテクチャ、技術で実現しているかを理解する必要がある。

クラウドサービスの癖を知る

 システムの連携や統合は、ERPの市場が立ち上がってきたころから盛んに行われるようになった。その結果として、様々な連携ツールも登場する。従来はERPを中心に連携や統合を行う場合は、企業内にあるシステムが対象だった。しかしながらここ最近は、企業システムがクラウドコンピューティングに徐々に移行している状況もあり、クラウドコンピューティングの環境もシステム連携や統合の対象となりつつある。

 クラウドでもプライベートクラウドであれば、従来のオンプレミスのシステムとそれほど大きな差はない。そのため、これまでに企業内のシステムを連携、統合していた技術の延長線上で考えればいい。ところがこれにパブリッククラウドが入ってくると、非常に高度になってくる。パブリッククラウドの代表はセールスフォース・ドットコムなどが提供する SaaS である。また、Windows Azure、Google App Engine、Amazon EC2および前出のセールスフォース・ドットコムが提供するForce.com のようなPaaS もある。

 これらのサービスは、同じようにクラウドと呼ばれてはいるが、当然ながら全く異なるものだ。SaaSであれば、基本的にはWebサービスの標準に準拠したAPIなりのアクセス方法を提供しているので、SOAP(Simple Object Access Protocol)などを用いればシステム連携は可能だ。また、PaaS 環境であれば、SQLやデータバスなどの連携方法が提供されている。しかし、サービスごとに「癖」があり、標準に準拠しているからと言って何らかのカスタマイズなしに、同じように連携できるものではない。

 とは言うものの、単純にデータだけをシステム間で受け渡したいだけならば、さほど大きなカスタマイズは必要ないかもしれない。しかし、性能、信頼性、サイジングなど、本来企業システムの運用で必要となる要件を、きっちりと満たそうとすれば、それなりのカスタマイズが発生する。そして、要求を満たすために様々な手を尽くしたとしても、最後はそれぞれのサービスが表明している機能や性能のサービスレベル保証の部分を信じなければならないという課題も残る。パブリッククラウドを利用している場合には、そのサービスが保証していること以上を要求しても、実現できないこともあるのだ。(次ページへ続く

 

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クラウド連携の3ステップ

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小泉 信義(コイズミ ノブヨシ)

NTTソフトウェア株式会社 SI&NIソリューション事業グループ ICTコンサルティング事業ユニット 事業ユニット長
1988年4月 NTTソフトウェア入社、TRON.OSの開発、OLTPミドルの仕様制定、開発に従事。経営企画部、市場開発室などに従事後、システム統合事業ユニットのユニット長、営業S...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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