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RDBMSの良さを生かした開発をこれからも末長く、心地良く - 二階堂隆氏

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黎明期の日本オラクルとともに成長

1993年、二階堂氏は日本オラクルに入社する。東京・青山にある現在の巨大な社屋からは想像もつかないが、当時の日本オラクルは渋谷の外れにある小さなオフィスで従業員も少なかった。国内での市場シェアも小さく、パートナーも数えるほどしかいない状態だったという。

「業務コンサルタントとして入社したはずだったんですが、なぜかInformixのアプリをOracleにポーティングするような怪しいチームに配属になりました(笑)。Cで書かれた業務系のInformixアプリをOracleDB上で動くようにするんですが、プリコンパイラをOracleのCのライブラリ(OCI)にすり替えればそのまま、動くんじゃないかと。そうしたら本当に動いちゃって(笑)。米国本社からは勝手なことをするなと怒られたこともありましたが、いろいろやっているうちに大塚商会さんのようなパートナーも興味を示してくれるようになりました」 

「7.3が登場するまでは
しょっちゅうお客さんに怒られていました(笑)」

― 若い会社ならではのエピソードだろう。市場自体がカオスのように混沌としている中、日本オラクルも二階堂氏も手探りで必死に前に進もうとしていた。その原動力となったのは「OracleというRDBMSを日本にもひろめたい」という強い思いだ。当時のトップは佐野力氏。日本オラクル初代社長として、この業界で数々の逸話をもつ人物だ。今では世界的年次イベントとなっているOracle OpenWorldも、元をたどれば日本オラクルが横浜で1994年に開催したのが始まりだ。

「当時、米国本社のほうはユーザ主体のカンファレンス(IOUW/IOUG)なんかをやっていたんですが、IBM出身の佐野さんはどうもそんな真面目なものでは我慢できなかったらしく(笑)、"何か大きなことをどかんとやろう!"ということでOOW開催になったんです。とはいってもデモではコマンドライン上のSQLコーディングをスクリーンに大映しするような、今ではとても考えられないような貧弱なものでしたが」

―だが、見慣れたSQL文も見せ方を変えてやれば、顧客やパートナーの目には新鮮に映る。以後、オラクルデータベースは日本市場でのプレゼンスを次第に大きくしていった。

二階堂氏は日本オラクル在籍中、いくつかのブレークスルーポイントを経験している。その中でも大きな出来事がOracle 7.3の登場(1996年)だったという。

「今だから言えますが、Informixもバギーでしたけど、Oracleも7.3が登場するまではひどい実装で(笑)、データを管理する層が簡単に壊れちゃったりするので、しょっちゅうお客さんに怒られていました」 

― それが7.3からロバスト(堅牢)になり、大規模運用でも十分に耐えられるようになってきた。また、7.3はマーケ主導で売りだされた初のバージョンでもある。Sun StarFireに搭載した7.3のTCP-Cベンチマークを公表し、「Oracleが最も高速」とリリースしている。当時、日本でもハードベンダと一緒にTPC-CやTPC-Dベンチマークを実施し、ハードベンダの技術者からも大きな信頼を得ることができた。他のDBベンダでは行っていない画期的な取り組みだったと言えるだろう。

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「限界を感じて」オラクル退職、そして起業

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この記事の著者

五味明子(ゴミ アキコ)

IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...

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