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【特別座談会】再生のためのIT

個人/コミュニティ/企業のゆるやかな連繋が生み出す再生のグランドデザイン


個人からコミュニティへ、コミュニティから企業へ

岩切 企業としての動きはどうだったのでしょうか。
 
日本アイ・ビー・エム株式会社
グローバル・ビジネス・サービス事業CTO
IBMディスティングイッシュト・エンジニア理事
榊原 彰氏
榊原 IBMとしては、インフラからアプリケーションまで全部揃っているということもあり、まずはインフラ整備ですよね。その点では、当社のクラウドサービスやコミュニケーションツールの無償提供を行っています。これに加えてインフラだけでなく、災害情報共有システムの提供も行っています。そうした支援のひとつが、SAHANA(サハナ)というオープンソースの災害時情報共有システムです。SAHANA とは、インドネシア語で救済という意味の言葉で、スマトラ沖の地震の際に作られたものです。災害時情報共有システムは、避難所のマネジメント、物資の不足状況、行方不明者がどこにどれくらいいて、という情報といったものを管理するシステムで、スマトラ沖地震以降も、四川大地震、ハイチ地震の際に利用されました。IBMでは、このSAHANAを日本で管理している、ひょうごんテック(ひょうごNPO 情報通信技術支援ネットワーク)さんと協力して、日本語化への対応やクラウド上での提供を行っています。
 
岩切 そうした動きは、企業としての判断だったのでしょうか。
 
榊原 四川大地震の際には、中国IBMが数十人規模でSAHANAを使用した支援を行っていますので、IBMとして経験は持っていたわけですが、今回の震災後の細かな機能追加や提供に向けての動きに関しては、まずは個人が判断し、それを企業が後押しするという形だったように思います。そうせざるを得ませんでした。
 
西脇 企業として公式に、能動的に動くっていうのは少し後になるんですよね。今回の件では、個人の現場を支える力を会社が後から支える、そういう動きが醸成されていったようにも思います。
 
岩切 まず、個人の動きがあり、コミュニティとの連携がある一方で、企業の後押しが加わる、ある意味でいい連鎖が起きたというわけですね。ただ、外資系のベンダーに比べて、国産大手ベンダーの動きが少し見えづらいかなと思ったのですが、そのあたりはいかがですか。
 
さくらインターネット研究所 上級研究員 松本 直人氏

松本 見えないだけで、みんな頑張っていたんだと思いますよ。草の根的な活動も、メディアが取り上げてくれないとなかなか伝わりにくいですしね。

西脇 実際に被災地を訪問して思ったんですが、日立、富士通、NECといった、それこそ公共のサービスを支えていたベンダーは、大きな支援、レベルの異なる支援をしなければならないという大変さがありますね。自治体からサーバーも含めてシステムがまるごと、なくなっているわけです。もはや個人レベルでどうこうという状況ではない。現場を目の当たりにすると、ネットではわからないことも見えてきます。例えば大槌町。役場はなくなっていても、役場としての業務は続けないといけない。サーバーは、ハードウェアベンダーに連絡して、電気は電力会社に連絡してってやっていくしかないんですね。ITの部分は、ネットを通じて、世界にも見えやすいし、伝わりやすいし、ある意味派手です。本当の現場のフロントの大変さはなかなか伝わりづらいでしょうね。

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システムの連繋から考える再生のグランドデザイン

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この記事の著者

小泉 真由子(編集部)(コイズミ マユコ)

情報セキュリティ専門誌編集を経て、2006年翔泳社に入社。エンタープライズITをテーマにイベント・ウェブコンテンツなどの企画制作を担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/3215 2016/01/05 18:32

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