ソフトウェア開発を成功に導くコラボレーションの実践手法~IBM Rationalが提唱するCLM
Innovate2011-Japan レポート
熱海氏の紹介を受けて登壇したRational事業部の熊田貴之氏と金元隆志氏によるデモでは、開発チームと品質管理チームやテストメンバーとの協調や、開発スタッフとその指導にかかわる上司とのやりとり、さらには要求定義をするメンバーのその要求のオーナーであるビジネス側との連携などの方法が紹介された。
例えば、開発のメンバーが今日とりかかる作業を特定するためにダッシュボードを見る。そこでは自分の開発の管理画面から、さらに上位にある要求やその開発を必要とするビジネスの要件まで遡及することができる。
開発者は作業の指示だけでは読み取れない、要求の真意とコンテキスト(文脈)を理解した上で開発をおこなう。
両氏のデモでは、開発と品質の協調のシナリオとして、実装途中で、関連する他のメンバーに協力を依頼し、ユニットテスト用のデータを受け取るなどの工程をブラウザ画面のダッシュボードでスムーズにおこなうデモが紹介された。これらは先に述べられた「リアルタイムプランニング」「開発インテリジェンス」「継続改善」のシナリオである。
また別のシナリオでは、各工程での開発メンバーがダッシュボードで成果物を管理していく中で、プロジェクトを横断的にみているプロジェクト・マネージャーが成果物に対する評価、意見を述べる。ここで重要なことは、携わるメンバーが「同じデータ」を見ながら、その場で改善を施し、リーダーがリアルタイムに意思決定をおこない調整していくことで開発と成果物の乖離の最小限化と手戻りの抑制である。
またメンバー間のこうした気づき、意見、会話はチャットやメッセージ機能によっておこなわれるが、その記録も最終的に成果物と一緒に管理され、後で遡ることができる。これによって、仕様書や議事録、メールログなどをばらばらにたどるだけでは把握できない仕様や要求の真意を改善・継承することが可能だ。こうした流れが「ライフサイクルでのトレーサビリティ」「コンテキストに応じたコラボレーション」の一例である。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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