Oracle Databaseに必要な初期設定
前回はGUIを使ってOracle Database 11g Release2のインストールを行いました。画面の指示に沿って進んでいけば良いので、簡単にインストールできたのではないでしょうか。
インストールが完了したら、続いて初期設定を行います。インストールはあくまでもプログラムをサーバー上に展開するだけですので、データベースはまだ存在しません。そのため、データベースを作成したり、アプリケーションから接続できるよう設定を行うといった初期設定が必要になります。一見難しく感じるかもしれませんが、インストールと同様にGUIのツールが用意されていますので、初心者の方でも心配ありません。
第2回目となる今回は、Oracle Database 11g Release2の初期設定手順について解説します。
パッチを適用する
Oracle Databaseには、不具合やセキュリティを修正するためのパッチが提供されており、サポート契約を結んでいる場合はMy Oracle Supportからパッチを検索・入手することができます。Oracle Databaseのパッチにはいくつか種類があるので、適用前にそれぞれの位置づけについて抑えておきましょう。
PSR (Patch Set Release) |
複数の修正を一括で提供する最も重要なパッチです。 Oracle Databaseのバージョン4桁目はPSRの識別番号です。 例えば、11.2.0.1.0 にPSRを適用すると 11.2.0.2.0になります。 |
PSU (Patch Set Update) |
厳選された不具合の修正、セキュリティの修正が含まれます。 3ヶ月ごとに公開されます。Oracle Databaseのバージョン5桁目はPSUの識別番号です。 例えば、11.2.0.2.0 にPSUを適用すると11.2.0.2.1 になります。 |
CPU (Critical Patch Update) | セキュリティの修正のみが含まれます。PSUと同時期に公開されます。不具合の修正が含まれていないため、通常はPSUを適用します。 |
個別パッチ |
1つの不具合に対して特別に作成されるパッチです。 PSRやPSUに含まれていない不具合に対して作成されます。 |
Oracle Database 11g Release2からはベース・リリースにPSRを適用するのではなく、最初からPSRだけを使ってインストールを行うこともできます。その場合は最新のPSUだけを適用すれば問題ありません。個別パッチは複数同時に適用すると競合が発生する場合がありますので、サポートに相談のうえ適用するかを判断してください。適用手順はパッチによって異なるので今回は割愛しますが、包含されているドキュメントを参照すれば問題なく適用できるはずです。
Oracle Netリスナーを作成する
Oracle Netリスナーは、ネットワーク経由での接続要求を受け付けるためのプロセスです。データベース・サーバーとアプリケーション・サーバーが分かれている場合、Oracle Netリスナーがないとアプリケーションからデータベースに接続することができません。
Oracle NetリスナーはOracle Net Configuration Assistant(NetCA)というGUIツールを使って作成することができます。NetCAはOracleホーム・ディレクトリ以下に配置されていますので、oracleユーザで実行します。
oracleユーザで実行
$ /u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/bin/netca
NetCAが起動したら、『リスナー構成』を選択して『次へ』をクリックします。
『追加』が選択されているのを確認し、『次へ』をクリックします。
リスナー名を入力し、『次へ』をクリックします。
通信プロトコルを指定し、『次へ』をクリックします。今回はデフォルトである『TCP』をそのまま使用します。
TCP/IPのポート番号を指定し、『次へ』をクリックします。今回はデフォルトである1521を使用します。ポート番号を指定する際は、Oracle Database以外のアプリケーションとポート番号が重複しないよう注意してください。また、ファイアーウォールなどのセキュリティ設定でポートが閉じられていないかも確認してください。
今回はリスナーを1つだけ作成するため、『いいえ』を選択して『次へ』をクリックします。
リスナーの構成が完了します。『次へ』をクリックします。
NetCAの初期画面に戻りますので、『完了』をクリックしてNetCAを終了します。
これでリスナーの作成は終了です。