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大阪ガス 河本薫氏が語る、“分析力を武器とするIT部門“になるための4つのポイント

■ガートナー「 ビジネス・インテリジェンス&情報活用サミット 2013」レポート

データ分析部門にとって、ビジネス部門との連携不足は大きな課題だ。大阪ガスではこの課題を乗り越え、現在は社内の全事業部にデータ分析ソリューションを提供できるようになったという。そこに至るまでにはどのような経緯があったのか。大阪ガス株式会社情報通信部 ビジネスアナリシスセンター 所長の河本薫氏による「ガートナー ビジネス・インテリジェンス&情報活用サミット」での講演をお届けする。

便利屋から独立採算部門へ~大阪ガス「ビジネスアナリシスセンター」の変遷

 大阪ガス株式会社 情報通信部 ビジネスアナリシスセンター 所長 工学博士  河本 薫 氏
大阪ガス株式会社 情報通信部
ビジネスアナリシスセンター 所長
工学博士 河本 薫 氏

 大阪ガスの情報通信部の内部組織として設けられたデータ分析部門「ビジネスアナリシスセンター」は、9名と小さなチームながら、組織の全部門および関係会社向けに年間大小100に近いソリューション提供を行ない、関係するプロジェクトは年間約30にもなるという。特にユニークなのは、部門として独立採算制をとっていることだ。

 いずれのスタッフも様々な分野における分析のプロフェッショナルであり、社内はもちろん社外からも多種多様なデータを蓄積し、高度なデータ処理や高度分析のノウハウを駆使して「データ分析ソリューション」を提供している。しかも、ビジネスに役立つ分析課題の発掘、分析、そしてその結果をビジネスにどのように役立てるかまで支援し見届けるなど、トータルな提供であることも大きな特徴だ。

 しかし、そんな「ビジネスアナリシスセンター」も、十数年前の立ち上げ時には、部門としての存在価値を十分に発揮することができなかったという。河本薫氏は「ビジネス組織に提案に行っても門前払いになったり、分析のみを請け負う便利屋となったり。最たる問題としては、ビジネス部門との連携が不十分であるために、せっかくのデータを十分に活かしきれていなかった」と当時を振り返る。

 その突破口となったのが「言われ仕事ではなく、提案していこう」というマインドセットだったという。データと分析に詳しい専門家がビジネス組織に対して能動的に提案を行い、予算がついたら実行していく。その繰り返しによって成果を出すことで、少しずつ社内の見方も変わっていった。

 なお、データと分析に詳しい「専門家」とは、どのようなスキルを持つ人間のことなのか。一般には「数字に強く、数学力の高い人」を想像しがちだが、「ビジネスアナリシスセンター」の場合、そうした統計学に加えて環境学やエネルギー学、故障分析、気象など、全員がビジネス分野に関わる専門知識を保有している。河本氏は「ビジネス分野に通じ、その上で分析ができるからこそ、本当に役に立つソリューションが提供できる」と力説する。

 その成功事例の1つとして「事故時対応のための緊急車両の事例」が紹介された。緊急車両は人件費も含め高額なコストがかかるため効率的な配置が求められるが、これまでは「経験と勘」に委ねられていた。しかし、渋滞などの社外の情報とこれまでの出動実績といった社内の情報を統合して分析し、より効率的な車両配置ができるようになった。さらにはシミュレータサービスとして他企業への再販も開始しているという。

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「データ分析部門」が真価を発揮するための4つのポイント

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この記事の著者

伊藤真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ビジネスやIT系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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