成長続く米国のネット広告市場
米国のネット広告市場は、毎年大きな成長を続けており、2012年は約3.7兆円弱(366億ドル※1ドル100円で換算)に達し、全広告市場の26.6%を占めるまでになった。一方、日本のネット広告市場は、2012年に9,000億円弱で、着実に成長しているものの、その伸び率は小さく、全広告市場に占める比率も14.7%と米国の半分程度である(図1)。
このように、米国におけるネット広告市場は、日本の市場規模の4倍で、全広告市場に占める割合も倍近くあり、かつ成長も著しい。それだけ広告主にとって支出する価値のあるメディアとみなされているといえる。そして、このネット広告の価値が、双方向性を利用したパーソナライゼーションであり、行動ターゲティングである。
米国のネット広告市場の内訳は、検索連動広告が46%、ディスプレイ/バナー広告が21%、モバイル広告が9%、リスティング広告が7%の順となっており*1、いずれもが、何らかの消費者のアクションをトリガーにして配信されるものである。すなわち、事前に消費者の過去のサイト上の行動を追跡して蓄積・解析すれば、より高い精度の広告配信が可能となる。
例えば、検索連動広告であれば、消費者のサイト閲覧履歴を蓄積・解析することで個人の関心事や嗜好を推測することができ、より個人にフィットする広告を配信できる。これに購買履歴や位置情報を組み合わせれば、ターゲット精度はさらに向上するであろう。