ビジネスモデルを評価する「ビジネスモデル・コンペティション」が日本初開催
昨年10月からワークショップを通じて、ビジネスモデル作成を行ってきた参加者。今回、「仮説検証プロセス」と「ビジネスモデルの可能性」を評価基準に、全9チームオリジナルのビジネスモデルを競い合った。
今大会の最優秀学生チームは、今年5月に開催される米国での決勝大会に進むことができる。審査員は、森川亮氏(LINE株式会社代表取締役)や津幡 靖久 氏(ヤフー株式会社メディアサービスカンパニー事業開発部部長)ら8名が務めた。
独りよがりにならず、ユーザーと対話すべし
今回のイベントでは、「なぜ頭のいい人も新事業で大ゴケするのか? ~スタートアップの虚と実~」と題して、本荘修二氏(本荘事務所代表)による基調講演も行われた。
新事業の立案で失敗を少なくするにはどのようにすればよいのだろうか。問題と解決策の整理のためには、製品の提供価値やと顧客のニーズなどを表現する「Value Proposition」をつくることがまず必要になる。
市場ポテンシャルの有無の把握やタイミングを間違うと失敗してしまうが、米国ベンチャーキャピタルKPBCの投資企業の7割がピボットしているという事例も紹介した。そのため、「Activate Waiting(臨戦待機)戦略」や「Opportunity Recognition(機会の特定)」といったことが重要になると語った。
また、日本におけるスタートアップの失敗事例の共有もあった。アイデアの種から一足飛びに事業化したもの、市場との適合性やビジネスとしての設計にズレがあったものなどさまざまだ。そのようななか、基調講演において、本荘氏が特に大事であると強調したのが「インサイトを得る時に、独りよがりにならず、ユーザーと対話すること」。
良いアイデアを事業として成り立たせるには、事業機会を捉えることがポイントの一つとなる。本荘氏もメンターを務める著名なインキュベーションプログラムを提供する米ベンチャーキャピタル「500 Startups」では「Fail Fast(早く失敗する)」ことがモットーとなっている。これが、次々と仮説検証を行い、アイデアのブラッシュアップと機会をつかむことにつながる。
顧客基点で、インサイトを得ること。そのためには工夫や苦労を惜しまず、ユーザーと対話することが欠かせないのだ。