リモートPCに対するWake on LANパケットの送信
リモートPCアクセスは、XenDesktopで物理PCへのアクセスを可能とする機能である。従来はアクセス対象のPCは接続待機中も電源をオンにしておく必要があったが、Wake on LANパケットの送信に対応したことで、電源オフでの待機が可能となった。これにより待機電力の削減が可能である。なお、この機能を使用するにはMicrosoft System Center 2012 Configuration Manager(SCCM 2012)が必要となる。
Platinum Editionの付加価値の強化
Platinum Editionにはアプリケーションの移行を支援するツールであるAppDNAが提供される。従来のバージョンではAppDNA Server Based Computing(SBC)モジュールが提供され、XenAppやXenDesktop App Editionへの移行アセスメントが可能だったが、XenDesktop/XenApp 7.5ではフル機能が使用可能となった。
AppDNAの詳細はCitrix AppDNA製品ページをご覧いただきたい。なお、期間限定のモビリティ推進キャンペーンとして、XenDesktop/XenApp 7.5 Platinum Editionの顧客には2014年9月30日までモバイルデバイス管理製品であるXenMobile MDM Editionが無償で、またはXenMobile Enterprise Editionのライセンスを通常価格の20%オフで提供される。XenMobileはiOSやAndroidの端末を集中管理し、セキュアに使用するためのソリューションである。キャンペーンの詳細については モビリティ推進キャンペーンをご覧いただきたい。
おわりに
モバイルデバイスの活用が広がるにつれ、デスクトップ仮想化に加え、アプリケーションの効率的な管理と利用は重要さを増すだろう。その観点でも今回XenApp 7.5がリリースされたことは重要な意味を持つ。
また、クラウドの利用も本格化しつつある状況において、XenDesktopおよびXenAppが、CloudPlatformおよびAWSに展開できるようになったことは、これからの企業におけるコンピューティング環境にマッチした進化と言える。
将来的にはWindows Azureへ対応することもシトリックスは表明している。さらに、CloudPlatformを使用するパブリッククラウド事業者の環境で、XenDesktopが正常に動作することを検証する「Citrix Ready IaaS Cloud for XenDesktop」というプログラムも開始され、今後は仮想デスクトップや仮想アプリケーションのワークロードをクラウドに展開することが一層促進されるだろう。
■■■ 関連書籍の紹介■■■
『Citrix XenDesktop デスクトップ&アプリケーション仮想化 実践ガイド』(2014年3月21日、翔泳社発行)
「デスクトップ仮想化」とは、企業や組織のメンバーが使っている多数のパソコンを仮想化ソフトで集約したものを言います。ユーザーは専用端末やノートPCからアクセスすることで、社内外のどこでも同じソフトが使え、同時にセキュリティレベルを高められるというメリットがあります。
Citrix XenDesktopはこうした仮想デスクトップを統合管理するためのソフトで、複数の仮想化ソフトに対応し、ユーザー権限や通信の制御をGUIで実現します。本書はこのXenDesktopについて、機能だけではなく実際にシステムを作る際の設計や導入のポイントまでを説明した本格的な解説書です。システムを作る人、使う人のニーズに応え、新しいコンピュータの使い方を紹介する一冊となっています。