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週刊DBオンライン 谷川耕一

2020年には40,000エクサバイト!本格的なIoTの時代へ向けたOracleのストレージ戦略とは

 2010年に1,200エクサバイトだったデジタルデータは、2020年には40,000エクサバイトまで増えるという調査会社の予測がある。日本オラクル システム事業統括 プロダクト・マネジメント・オフィス 本部長の宮坂美樹氏は「過去を遡ると私が『マシン to マシン』と言い始めたのは10年くらい前でしょうか。今はまさにそういう時代になりました。IoT全体で考えた際には相当な量のデータがあり、企業もそれの扱いに苦労しています」と語る。

Flash、NAS、テープを使った階層化ストレージで適切な場所に適切なデータを

 とはいえ、莫大に増えてしまったデータが存在するからと言って、それら全部をいつも使っているわけではない。

 「90日経過すると、80%のデータはほとんどアクセスしないというのがリアルなところではないでしょうか。私自身も企画書なんかを作っても、3ヶ月前のものにはほとんど触りません」(宮坂氏)

宮坂美樹氏
宮坂美樹氏

 たくさんあってもすべてのものに日常的にアクセスするわけではない。これが、Oracleのストレージに対するソリューションのベースとなる考え方だ。なので、いかにデータを適材適所に配置するのか。コストをかけずにそれをどうやるのか。そのためにはFlashストレージ、NAS、テープ装置という多彩なラインナップを提供し、それぞれをうまく使うことになる。80%のデータはほとんど使わないならば、それらはなるべく保管コストの安いテープに置く。頻繁にアクセスするものは、Flashストレージに置いてと言うのがOracleの戦略だ。

 Oracleのストレージを活用しているデータアーカイブ・ビジネス事業者の事例では、NASとテープ装置を使い効率的かつ長時間、安全にデータをアーカイブするビジネスを提供している。この企業では、SL8500という一番大きなテープ装置を利用している。内部をパーティションで区分けし、それでテープ装置をマルチテナントイメージで運用している。保管している大規模なデータを顧客が欲しい際には、ネットワーク越しではなくテープドライブごと渡すという方法もとっているとのこと。

 また、国内の研究機関の事例では、研究データに頻繁にアクセスするために2014年10月に提供を開始したFlashストレージ 「Oracle FS1」をいち早く導入した。この研究所では30台のサーバーでトータル3ペタバイトほどのストレージを利用していた。今後3年でおよそ10ペタバイトまでデータ容量が増えることが予測されていたが、電源容量の上限問題がありこれ以上はストレージ装置の台数を増やすことは難しかった。そこで、Flashストレージにテープ装置を組み合わせ、頻繁に利用しないデータはテープへ退避させることで使用電力量を削減しつつ必要な性能と容量を確保。結果的に消費電力、運用コスト、設置スペースの削減を実現した。

 この時に利用したのがSAM-QFS(Sun Storage Archive Management Quick File System)と呼ばれる階層化ストレージ管理ソフトウェアだ。これを用いFlashストレージ、アーカイブ用ディスク、アーカイブ用テープにデータの適正配置を、自動的に行ったのだ。

 また、「これからは、映像の4K、8Kの時代もやってきます。それに対応するためにフロント・ポーチ・デジタル社を買収しました」と宮坂氏。フロント・ポーチ・デジタルでは、デジタル化した大規模な映像データなどの変換、クラウドでの配信といった機能などを提供しており、Oracle既存のデータアーカイブ、データ保護といったソリューションと組み合わせて、今後のデジタルデータの増加に合わせた全体最適化にも取り組んでいくとのことだ。

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ZFSの世界にやっと時代が追いついてきた

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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