テラデータがフォーカスするのは、これからもずっとデータ分析
Q:今回、Analytics of Everythingというコンセプトを新たに打ち出しました。これを目にしたときには、ビッグデータを溜め込むことよりも、分析することにより重点を置くようになったと感じました。このコンセプトを打ち出した真意は?
コーラー:テラデータのフォーカスはずっとアナリティクスです。これまではビジネス・トランザクションのデータに対して分析することに注力してきました。今はビジネストランザクションだけでなく、新しいソースからどんどんデータが生まれます。ビジネス・トランザクションデータの分析はもちろん続けますが、それに加え新たに生まれるデータ、たとえばWeb Logやソーシャルネットワークのデータ、センサーから生まれるデータなども対象にするのがAnalytics of Everythingです。
新たに生まれるデータは大量にあります。これを分析しようとして苦労している会社がたくさんあります。なので、その苦労を取り除き、全てのデータに対し分析ができるようにするのがテラデータの戦略です。
Q:新たに生まれるデータは、データレイクに溜め込まないと上手く分析ができませんか?
コーラー:新たに生まれるデータは極めて大量にあるので、それをローコストに溜める仕組みが必要です。結果的には、データレイクにロードすることになるでしょう。データレイクを構成するには、Hadoopが優れています。
テラデータでは、顧客がデータレイクのデータを分析するための手伝いをします。データレイクの全てのデータがビジネスに必要なわけではありません。データレイクには中核となるデータがあり、それを活用してビジネスにおける利点を導き出す。そのためには、データウェアハウスに中核のデータを持っていくほうがいいでしょう。なので、データレイクとデータウェアハウスをつなげる必要があります。そうすることで、ビジネスにとって必要なデータ全てを見ることができるようになるのです。
これを実現するために、今回発表したListenerがあり、少し前に発表したQueryGridがあります。もちろんUDA(ユニファイド・データ・アーキテクチャ)も合わせて対応することになります。
Hadoopを提供できるだけでなくHadoopで何ができるかが重要
Q:ビッグデータならうちに任せろと主張するベンダーが今やたくさんあります。ベンダー選択のポイントはどこにありますか?
コーラー:ベンダーが実際にどのようなことができるのかを見極める必要があります。テラデータは、たんにHadoopのソリューションがあるだけでなく、Hadoopを活用するためのコンサルティングができるのが他とは違うところです。これは買収したThink Bigが担います。Think Bigのビジネスは米国を中心に行っていて、今後広く世界に展開します。まずは西ヨーロッパや中国で、その次には日本でも展開します。
もう1つテラデータにはAsterというユニークなデータ分析ツールがあります。これを使うとグラフ分析、パターン分析など今までにはなかったような方法でデータ分析ができます。分析手法はすでに100種類くらい揃えています。
このAsterがHadoopの上で直接動くようにしたのが、今回発表したTeradata Aster Analytics on Hadoopです。これは、ビッグデータを活用するのに重要なツールとなるでしょう。テラデータの顧客は、実際、かなりAsterを気に入っています。それがHadoopの上で使えるようになるのです。HadoopのビッグデータをAsterを使って分析するのに、別途サーバーを立てる必要もありません。
このようにビッグデータの活用では、Hadoopが導入できるだけでなくHadoopで具体的に何ができるかが重要です。それをベンダーに尋ねてみるといいでしょう。
Q:実際に顧客がビッグデータを分析する際には、どのようなところがネックになっていますか?
コーラー:利用できるツールが欠けています。それはたとえば、データに対し質問を投げかけるためのツールです。データサイエンティストのためのツールと言ってもいいかもしれません。それからデータレイクのデータを効率的に利用する機能も欠けています。これらについては、テラデータにはAsterがあり、PrestoやQueryGridもあります。