アナリティクスの行きつく先
データの利活用が十分に進んだと仮定してみましょう。すると、2つの方向性が見えてきます。
1つは、「データで稼ぐ。コストセンターを脱するのだ」という方向。もう1つは「自社で賄うべきでない」という方向です。データそのもので稼ごうという方向は1つの事業を興すことにもなり、野心的であるもののかなり魅力的だと言えます。しかし、こちらはまたの機会に譲ろうと思います。
今回は「データ分析を自社で賄わない」という方向について検討していきましょう。まずは現実的な十分に進んだ”行きつく先”を念頭に今を検討する事は備えの基本だからです。そして、外部委託する方向は、アウトソーシングを例として実現の模索が可能そうです。
そこで、下記のようにデータマネジメントを機能別に分解してみます。
Comprehensive Management
- データガバナンス:データマネジメントに対する計画、監視、統制
- データアーキテクチャー: データアーキテクチャーの作成 (エンタープライズアーキテクチャーに沿う)
- データセキュリティ:機密性とプライバシーの保護
Data Store
- データ開発:データにかかわる分析、設計、構築、テスト、配備、維持
- ドキュメント&コンテンツ:非構造型データの取り扱い
Utilization
- オペレーション:構造型データに関する取得、生成、リカバリー、保存
- データウエアハウスとビジネスインテリジェンス:意志決定のためのデータ計画と実行
Maintenance
- 参照とマスターデータ:データ値の一貫性を保証する
- メタデータ:データという対象に関するイベントや関係などを管理する
- データクオリティ:データの品質を保証する
データ分析を自社で賄うことを止めるのは、前記のようにデータマネジメント全体の中で「Utilization」について捉え直せば、さほど驚くことではありません。一方で、そのメリットを十分に享受するにはデータマネジメントその他の領域についても即した検討を行う必要がありそうです。そこでもう一段、データマネジメントの全体的理解を深めることにしましょう。