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IPv6時代のネットワーク事情

IPv6を実際に使ってみたい人のための上司の上手な口説き方

第3回


 IPv6の対応製品は充実してきていますので、以前に比べると導入の苦労も少なく、あれこれ実際に触ってみることができます。会社でやろうとすると、やはり上司の理解を得ておいた方が良いでしょう。今回はそんな説明の際に役立つよう、説得への道を紹介します。

説得は目的じゃなくて、手段

 多くの新製品がそうであるように、やはり新しい技術は実際に触って使ってみないとなかなか実感が湧きません。

 IPv6で遊んでみるには、既存機器の設定変更や新しい機器の購入など、それなりに準備する必要があります。手元でこそこそ勝手にやっている分には何でも良いでしょうが、ある程度会社からのサポートを受けようとすれば、偉い人の承認を受けておいた方が何かと便利です。

 IPv6の環境構築が仕事として認められれば、業務時間中にやっていても文句は言われませんし、機器を購入する際にも理由を書きやすくなります。 説得しなければならない人は、必ずしも技術に明るい人ばかりではありません。

 新しい技術で遊ぶ事の重要性に理解のある上司なら強力な味方になってくれるでしょうが、彼らもまた会社組織の中で上司や他の部署に説明できるぐらいの材料が欲しいところです。

 偉い人たちは、それぞれ前提となる知識や、興味の範囲が違います。そんな人たちに必要性をなんとなく伝えないといけません。そうすると、説得の際に必要になるのは技術そのものの情報ではなく、新しい技術を取り巻く状況だったり業務への影響度だったりします。

  説得のために重厚な資料を作るのも手ですが、すさまじく工数が掛かる割にはほとんど参照されないことがほとんどです。どうせなら必要十分ぐらいの作業量で済ませたいところです。

 そこで役に立つのが、言い回しのテクニック。意味するところは同じでも、ちょっと表現を変えるだけで立派に見えてしまいます。個人的に「大人な言葉」と呼んでいます。

 後は、適当に説得に使えそうなポイントを見つけ出して、それを強調してしまえば良いのです。もちろん嘘をついてはいけませんが、課題の抽出や事例などは細かい例外に拘らず、大局的に見た情報を使った方が素直に伝わります。

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説得の材料集め

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この記事の著者

松崎吉伸(まつざき よしのぶ)

1998年にIIJ(株式会社インターネットイニシアティブ) に入社。2000年から同社バックボーン運用に参加し、設計から運用までを手掛ける。2007年にはAPNIC IPv6 Technical Sig Chairに就任。より良いインターネットを目指してあれこれ楽しそうな事を見つけながら頑張っている...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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