Azure App ServiceではLinux、Docker対応に注力中
Azure App Serviceの開発チームを率いる、プリンシパル・プログラム・マネージャーのアパルバ・ジョシ(Apurva Joshi)氏は、2016年12月に話を訊いた段階で、マイクロソフトのクラウドの優位性はPaaSによって決まると語っていた。
現状、日本ではAzure App ServiceのLinux対応への関心がかなり高まっている。「Linux対応製品の完成は間もなくで、2017年の夏くらいには一般提供を開始する予定です」とジョシ氏。
「Linuxのサポートは、マイクロソフトが今もっとも重視しているところです。App Serviceの柔軟性と完全性を、Linuxの世界にも届けたいと考えています」(ジョシ氏)
さらに日本だけでなく共通のテーマとなっているのが、Dockerのようなオープンソースのコンテナ技術部分だ。ここにもマイクロソフトは大きな投資をしている。そして「Dockerのコンテナをドック化するためにも、Visual Studioとの連携を進めています」とも言う。
またAzure BatchでDockerコンテナを実行できるようにもしていて、さらにはAzure Container Serviceを使ってDocker Swarmのクラスター環境を構築できるようにする取り組みも行われている。「これから数ヶ月で、Dockerへの対応をApp Serviceで集中的に行っていきます」とジョシ氏。
Azure App Serviceでもう1つ力を入れているのが、「App Service Environment」だ。これは企業のデータセンター内でAzure App Serviceを利用できるようにするもので「プライベートクラウドのセキュアな環境で、パブリッククラウドの柔軟性を得られるものです」と説明する。
Azure App Serviceは、既存のアプリケーションの構築、実行の環境を一気に破壊的に進化させるものではない。既存の環境を継続的に使えるようにすることを目的としており、そのためにも利用者の多いVisual Studioの対応や、App Service Environmentのようなサービスも活用することになる。つまりこれまでの環境を一切捨ててAzure App Serviceに移行するのではく、これまでの投資も活用しながら進化したPaaSを最大限に活用できるようにするわけだ。