AIに欠かせないツールは、データ、クラウド、インテリジェンス
今年の「de:code 2017」はテーマを「The New Age of Intelligence」と掲げ、全面的に「AI推し」とした。日本マイクロソフト CTO 榊原彰氏は「全製品、全サービスにインテリジェントを組み込んでいく」と宣言するなど、マイクロソフトがAIにかなり力を入れていることが分かる。基調講演ではAIを用いたデジタルトランスフォーメーションの実例やホロレンズなどが華々しく披露された。
基調講演ではデータベースやデータプラットフォームに関する発表もいくつか続いた。それもそのはず。現在のAIにデータは欠かせないからだ。かつてのAIはプログラミングが中心だった。一方、現在のAIは大量のデータから機械学習する。必要なデータをいかに収集して処理するかは、AIで実現するアプリケーションの成否を左右するといってもいいだろう。
マイクロソフト・コーポレーションでデータグループのバイスプレジデントを務めるジョセフ・シロー(Joseph Sirosh)氏は現在を「AIの特異点」と表現する。地球の歴史ならカンブリア爆発にあたるほどのターニングポイントにいるということ。約5億3000年前、地球上では生物の種類が爆発的に増加した。大気中の酸素濃度増加や、目を持つ高度な生物が登場したことなどが要因とされている。このカンブリア爆発のような爆発的な普及がいまAIで起ころうとしているというのがシロー氏の見方だ。
AIに欠かせないツールとしてシロー氏は3つ挙げた。データ(データベース)、クラウド、そしてインテリジェンス(そのアルゴリズムとしてのディープラーニング)。これらが発達することで、今のAIは言語の理解や認知が向上し、予測の正確性や可視化も進んでいる。これから急速にあらゆる場面で普及しそうな勢いだ。