日本ではまだまだこれから、ScaleIOの魅力
ここで中村氏はECSと同じくソフトウェア・ディファインド・ストレージであるScaleIOに話題を移した。「ECSはオブジェクトストレージですが、ScaleIOはブロックストレージになります。」(中村氏)。
またSANなので、複数のサーバで作ったボリュームを共有することが可能だ。HA機能やVMwareの vMotion機能など、これまでの外付けのSANでしていたことは、普通に出来る。
中村氏は、「ソフトウェア・デファインドの良いところとして、ユーザーに一番好評なのは、ノードの追加・削除が非常に簡単にできることです」と語る。こうした機能を使えば、たとえばサーバが古くなってストレージの機能を強化したい場合、データ移行不要で新しいハードウェアに切り換えられる、というメリットがある。
このように数多くのメリットがあるソフトウェア・デファインドストレージだが、中村氏は「ScaleIOは、ワールドワイドでは2〜3年前からから売れだしています。日本では、信頼性や性能等の認識は高まりつつあり、導入が少しずつ増えてきたところです」と語る。
現在、ScaleIOの販売容量のうちの8割ぐらいが、VMware環境で使われているが、今後はOpenStackやDockerなども伸びると見られている。ソフトウェア・デファインドなので、コマンドライン、スクリプトなどと親和性が高く、従来の外付けストレージよりも使い易いからだ。
「サーバを買ってきてOpenStackとScaleIOを入れ、スクリプトを一発流せば、サーバとストレージの環境が出来上がってしまう。非常に使い易いので、運用コストも下がって行くし、デプロイの速度も速くなっていきます」(中村氏)。
また、ScaleIOは、サーバのレイヤー、ストレージのレイヤーを完全に分けることもできる。この柔軟性を上手く使えば、システム更改の際など、それまでのサーバとストレージの運用をそのまま引き継ぐことが可能なので、ユーザーには大きなメリットがある。
さらにScaleIOは非常に軽量なエージェントで性能上のオーバーヘッドが少ない。「フラッシュ等の高速なメディアを使い、大規模にスケールアウトさせれば、スループットという意味では、どのDellEMCのストレージよりも速いストレージになるでしょう」(中村氏)。
ScaleIOの次のバージョンに関する発表は以下の通り。
- SSDの容量効率の向上:現在のMB単位から4KB単位の書き込みが選択可能に
- スナップショットの機能:現在の最大32個から255個に
- ボリュームのマイグレーション機能
- Dell PowerEdge 14Gをサポート