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執筆記事
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2019/03/22
ベンダだって100%のセキュリティ対策は打てない。
インターネットというものがこの世に出現して以来、これを利用するユーザがずっと悩み続けている問題がセキュリティです。原因はさまざまですが、個人情報の漏洩やサーバへの攻撃などの事件は、いくらセキュリティ技術が進歩しても止むことはなく、私が働いている政府でも、一説によると一年間に受ける攻撃の数は数十万件に上るとも言われています。
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2019/03/18
RFPって何を書けばいいの?
この連載では、特にITの導入を目指すユーザ側の方を対象に、自組織(自社)に本当に役立つITを導入するためのRFPの書き方について順次解説していきます。ただ、いきなり詳述してもRFPの全体像が分からないことには、理解が進まないかもしれません。今回は、まず、一般に見られるRFPの目次を参考にその記述内容全体を概観してみたいと思います。
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2019/01/28
クラウドサービスにおけるデータ消失の責任所在はどこか
多くの企業で自社のシステムにクラウドを利用することが一般的になってきています。資産を自分で持つことなく、不具合への対応やセキュリティ対応等さまざまな運用の手間をクラウドベンダに任せることができるクラウドは、必ずしも自社の本業ではないIT関連作業から社員を解放し、専門家に任せきりにできると言う点で、大きなメリットがあることは議論を待たないでしょう。
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2019/01/15
請負?準委任?曖昧な契約形態が引き起こす労働問題
「偽装請負」という言葉があります。顧客側企業が受注側企業から労働者の提供を受け、本来なら、労働者が安全かつ健康的に作業を行えるように管理し、かつ労働者に必要な教育も施す必要があるところ、そうした義務から忌避する為に、形だけは検収要件を成果物とする請負契約を結び、都合よく労働者を使う形式です。もちろん、こうしたことは労働者保護の立場から見て、糾弾されるべきことで、実際に、こうしたことで非難にさらされた大手企業がいくつもあります。
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2018/11/16
パッケージカスタマイズの金額交渉が決裂。ソフトの費用は払うべき?
契約前作業を巡るトラブルが多いので、前回に続いてこの問題を取り上げたいと思います。今回は、ユーザ側に発注する意思はあったものの、作業着手後の費用交渉が決裂してプロジェクトが中断してしまった例です。こういう例を聞くと、やはり契約前作業は危険であると感じるのですが、私が講演や研修などで訪れる企業などで話を聞くと、そうした危険を認知しながらも契約前に先行着手する例がまだまだ多いようですし、そうしたことが問題になって裁判に発展してしまうケースもなかなかなくなりません。
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2018/11/02
契約のない追加作業の支払責任
今回は、ユーザ企業からベンダへの支払いに関する紛争について、お話ししたいと思います。この連載で以前に触れたかもしれませんが、裁判所というところは、そのイメージとは少し違って、簡単に杓子定規な判断をするところではありません。
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2018/09/21
不具合だらけのシステムでも検収行為は義務?
日本を代表する(?) 大泥棒である石川五右衛門は「石川や浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」という辞世の句を残したと伝えられていますが、これをITの世界に置き換えるなら、「世に不具合の種は尽きまじ」とでもいうべきでしょうか。時代がスクラッチ開発からパッケージ利用、そしてクラウドの世の中になっても、やはりソフトウェアのバグや設定ミスといった不具合は後を絶つことがなく、今回取り上げる判決の中でも裁判所が「ソフトウェア開発においては、初期段階で軽微なバグが発生するのは技術的に不可避であり」と...