KDDI、三菱重工業、NECネッツエスアイは、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置の利用を想定した実証実験を行い、冷却設備におけるティア4レベルでの安定稼働に成功したと発表した。
世界的なDXの進展や新型コロナによる働き方変化、自然災害へのBCP 対策により、クラウドサービスおよびデータセンターの需要が急速に拡大している。一方で、IT 機器の高性能化・高密度化により、IT機器による発熱がこれまで以上に大きくなってきており、データセンターでの排熱処理が課題となっている。
そのため、サーバーが発する熱を高効率の冷却装置で冷却することにより、消費電力量を抑制し、環境に与える影響を最小限にとどめることが昨今求められているという。
そこで今回、KDDI小山NCで液浸データセンターを試験運用し、各分野で社会インフラを担っている3社が持つ技術や知見をそれぞれ持ち寄り、安定性や成立性を確認したという。
2022年4月1日からKDDI小山ネットワークセンター(以下、KDDI小山NC)にて、100kVA相当のサーバーなどのIT機器と液浸冷却装置をデータセンター内に収容し、試験運用する実証を実施。最適化された外気空冷を行うフリークーリング装置を開発し、データセンターでの実装を想定した排熱処理能力の向上と省電力化を実現したとのこと。
今回、最適化された外気空冷を行う液浸システムを開発し、データセンターでの実装を想定した排熱処理能力の向上と省電力化をすることで、サーバー冷却のために消費される電力の94%削減とPUE値1.05を実現したという。
3社は今後、大規模データセンターからコンテナ型データセンターまでの幅広い活用を想定し、2023年度中に液浸データセンターの提供を開始するとしている。
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