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「AI旋風」からは逃げられない、ガートナーアナリストが語った2025年からの戦略的展望


強力で危険性を秘めたAI旋風

 そして、今回のトップ10を説明するトレンドとして以下の3つを紹介した。「AI旋風」について、アロン氏は「AIが強力なもの、そして危険なものであることを示唆する良いたとえだと思う」と述べた。

AI旋風が企業に及ぼす影響 出典:Gartner(2024年11月) [画像クリックで拡大]

 また、アロン氏は「AIは非常に重要だが、今回のトップ10は少しAIに偏りすぎているようにも思う」と述べた。確かに、今回のトップ10を読むと、「2. メンタルヘルス」、「6. AIの悪用」、「7. 監督者」のように、AIの負の側面に着目した予測が含まれていることに気づく。AI旋風の影響も、どちらかというとリスクが強調されている。

 「美しい未来だけでなく、現実的な部分へと目を向けるべき領域が変わった結果、機会と脅威の両方が見えてきたということ。何事にも陰陽がある。デジタルにも陰陽があり、その2つを分けることはできない。かつてのITはバックオフィスにしか使われていなかったが、今のテクノロジーは違う。生活のあちこちに存在するもの。その影響でAIの光と影がわかりやすく見えるようになった」とアロン氏は解説してくれた。

 また、6番と7番は、2025年の注目テクノロジーでもあるエージェントの負の側面に関する予測でもある。現在、複数のガートナーアナリストが、虚偽情報(Disinformation)をテーマに、『World without Truth(真実なき世界)』と題した書籍の出版準備を進めているという。

 アロン氏がそのための調査で集めた興味深い例の中に、あるグループがRedditに投稿したフェイクニュースがある。これは1990年代にモスクワでBlue Prague(青いペスト)が流行したとするもので、生成AIで偽の画像や動画を作り、「この植物の花が健康障害の原因になるだけでなく、土地を二度と使えないようにしてしまう」というストーリーを90年代に有名だったアナウンサーに読ませた。

 この例からわかるのは、今後エージェントが普及すると、自動的に何百ものデマサイトを立ち上げ、相互引用でバズを作り出す未来がありうることだ。個人の楽しみのために画像や動画を作る段階に留まっていれば問題はなくても、人間に代わってタスクを実行するようになれば、裏側の人間がエージェントを悪用することができてしまう。生産性向上という正の目的の実現だけを期待したいところだが、負の側面があることを無視するわけにはいかない。

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

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