復興、そして再生へ
株式会社翔泳社 取締役 岩切晃子
岩切 今回、個人と企業の垣根を越えた活動を展開しているみなさんですが、ビジネスの視点で捉えた時に、復興はどのように進むと考えていますか?
榊原 復興に関しては、様々な動きがありますが、問題はそれをどうやって体系だったものにしていくかということ。単なる復興ビジネスじゃなくて、現地に還元できるように構造化していかなければいけない。例えば、IBMが単独で人を派遣して、現地で構築して帰ってくるというのでは社会への貢献が不十分だと考えます。お金の話だけじゃない。
西脇 まったく同意です。これからは東北の開発者、SIerの出番です。東北でも、被害が少ない地域にしっかりと仕事を回すこと。そこをうまくマッチングしていく支援を我々がしていくという形。あくまで、主体は東北の方々でなければなりません。
岩切 企業のリスクマネジメントについてはどうでしょうか。
榊原 リスクマネジメントのシステム、活動体制というものを、普段から用意してないとだめでしょうね。リスクマネジメントとして、どこまで想定して、対応できるか。そもそも全部なくなってしまった場合まで想定するのか、とかですね。想定外を想定内のことにしていかなければいけない。もちろん、予算に限りもあるからトレードオフでしょうが、企業としての判断は、従来よりも有事の想定を大幅に取り入れる必要があるでしょう。
松本 リスクマネジメントでいえば、今回の震災で、例えば、分散しているデータセンターでよかったねっていうこともあったんじゃないかと思います。離れてるっていうのは、それなりの価値がある、と。予算に限りはあるかもしれない。でもクラウドなら、安いし、遠くに離れたところに置ける。そんな風に、リスクマネジメントという視点からあらためてクラウドを選択肢にいれることができるのではないでしょうか。
岩切 今日は駆け足でみなさんに、これまでの振り返りと今後の見通しを語っていただきました。トータルなデザインを提示できるほど単純ではないことを確認しつつも、課題は共有できたように思います。今後も継続的に、こうした活動の進捗や課題を共有する場を設けられればと思います。本日はありがとうございました。