Oracle Database ApplianceはExadataのミニ版
トレーニングイベントとはいえ、Oracleの製品やサービスの今後の方向性を示すキーノートセッションも行われた。そのステージに登壇したのは、米国Oracleでソフトウェア製品開発のバイスプレジデントを勤めるマイケル・ヒチワ氏。
彼は、Oracle Database 11gで実現できるデータベース統合のベストプラクティスの解説と、アプリケーション開発の生産性向上、そして10月にサンフランシスコで開催されたOracle OpenWorldで発表したOracle Database Cloud Serviceについて紹介した。
Oracleが目指すベストプラクティスのゴールは、いま1時間かかっているような処理を1分で、1分かかっている処理を1秒で終わらせるといった、大幅なパフォーマンス向上がまずある。さらには、爆発的に増えているストレージの最適化、信頼性や可用性を向上させるために行っている不必要な冗長化の削減、情報資産のセキュア化の徹底も行う。そして、管理オーバーヘッドの削減も目指すとのこと。
パフォーマンスやストレージの最適化のベストプラクティスにおける、1つの理想型がOracle Exadataだ。Exadataにシステムを統合できれば、圧倒的な性能の向上だけでなく、障害時の代替システムとして確保しているコールドスタンバイのためのリソースも必要なくなる。このような無駄な冗長化をなくすには、Exadataでなくて可能だ。Oracle Real Application Clusters、Active Data Guardなどの機能を利用すれば、通常のOracle Databaseでも実現できる。そのためのベストプラクティスを提案するのが、Oracle Maximum Availability Architectureだ。
ヒチワ氏は、Exadataはいいものだが「大規模で、すべてのユーザーにとって最適な選択とはならないかもしれない」という。そのため、Exadataのメリットを中堅、中小規模の企業や大手企業の部門単位でも活用できるようにしたとのこと。それがOracle Database Applianceだ。
これは「ミニExadataみたいなもの」で、サイズは4Uしかなく、価格も大変魅力的なものだという。小さくても基本的な活用方法はExadataと同じで、Engineered Systemとして完結している。そのため、たとえばシステム全体の更新を行う際にも、Oracleから提供されるたった1つのパッチを適用するだけで対応できる。