SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine Day Special

2024年10月16日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

DB Press

RHELを軸に仮想化、クラウド、ビッグデータで2012年の「大飛躍」を宣言するRed Hat


「今年は伝えることが多い年になる。そしてGreat Leapと言えるような大飛躍の年にしたい」- レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏は1月12日に開催されたメディア向け説明会の席でこう発言した。Red Hatは2012年会計年度(2011年3月 - 2012年2月)、初めて年間売上が10億ドルを超えると予想されている。10億ドルという数字を達成しているソフトウェア企業はワールドワイドで見渡しても30社強しか存在しない。Sun Microsystemsなき現在、オープンソースをビジネスの主軸としているRed Hatが「ワンビリオンダラー企業」の仲間入りをすることは、快挙といっても過言ではない。

 日本法人については具体的な決算の数字が提示されることはないが、廣川社長によれば「日本法人は全体の売上の約10%を占めており、年率20%を超える伸びを示している」という。とくにJBossに代表されるミドルウェア事業、そしてサーバおよびデータベースの仮想化事業が非常に好調のようだ。また昨年10月に買収したGlusterFSのストレージソリューションを軸としたビッグデータ事業への注目度も高く、年末に発表された「Red Hat Storage Appliance」などの国内展開も期待される。

 Red Hatは2003年会計年度以来、四半期ごとの売上をずっと右肩上がりで成長させてきた数少ないIT企業でもある。その成長の最大の要因であり、同社のすべての事業のベースとなっているのはエンタープライズ向けLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux(以下、RHEL)」である。今回、Red HatでRHEL事業を統括するバイスプレジデント兼プラットフォーム事業部門長のジム・トットン(Jim Totton)氏が来日し、同社の事業全体およびRHELの現状についての説明を行ったので、これをもとにRHELの2012年を概観してみたい。

ビジネスの基盤はつねにRHEL

レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏
レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏

 OSSベースのソリューションを幅広くエンタープライズに向けて提供しているRed Hatだが、なぜ同社だけがOSS企業としてここまで成功することができたのか。トットン氏は

 ・RHELの成功を足がかりとして、仮想化やクラウドといった他の事業を拡大した
 ・売上の56%は米国だが、それ以外の地域でも一貫性のある成長を続けている。日本はパートナーとの協業を進めたことで顧客に価値を提供できた
 ・セグメントごとの対応も進んでいる。とくにミッションクリティカルな分野で強みを発揮する
 ・OSS採用への世界的な流れ、とくにミッションクリティカルな分野では確実にUNIXからLinuxへシフトが進んでいる

 などが背景にあると語る。

 そしてRed Hatの成長をこれまで、そしてこれからも支えていくのはRHELであることに変わりはない。RHELがあるからこそ、仮想化もミドルウェアもクラウドも、そしてビッグデータも同社のビジネスとして成立する。

 ご存じの通り、RHELはRed Hatが支援を行うOSSプロジェクト「Fedora」をベースにしている。次のFedora 17ではメジャーディストロでは初めてBtrfsをデフォルトファイルシステムに採用するなど、数あるLinuxディストロの中でも先進性では群を抜いているFedoraだが、これをエンタープライズ向けにエンジニアリング(機能統合、安定化、信頼性向上など)してRHELとして提供する。開発の段階からハードウェア/ソフトウェアベンダが参加できるようにしているため、他社と連携したサービスや認定を市場に提供しやすい。OSSコミュニティ、顧客、サードベンダを巻き込んだRHELエコシステムが確立していることが同社にとっての強い推進力となっている。なお、Red HatはLinus Torvalds氏が取りまとめているLinuxカーネル開発に対してもさまざまな面で大きく貢献している。

次のページ
現在の主力バージョンは5.8と6.2、RHEV 3.0はもうまもなく?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

五味明子(ゴミ アキコ)

IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/3731 2012/02/10 18:32

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング