さらにハードウェアにソフトウェアの技術を取り込む
「2年前のハードウェアの考え方は、古かった。当時は、ベスト・オブ・ブリードしかなかった。Oracleに買収され2年が経過し、いまでは両社の技術が融合して新たにEngineered Systemsが生まれた」と言うのは、Oracleコーポレーション システムズ担当のエグゼクティブ・バイスプレジデントのジョン・ファウラー氏。マイクロプロセッサ、仮想化、OS、そしてそれらの管理ツールに至るすべてを開発、提供しているベンダーはOracleだけであり、さらにソフトウェア技術と融合しより良いものへと進化を続けていると胸を張る。
このEngineered Systemsは、今後もファミリーで提供し、すべてクラウドレディな製品として市場に提供さえる。。さらにOracleでは、完成されたEngineered Systemsだけでなく、SPARCプロセッサやストレージなど個々の汎用的なハードウェアにも、ソフトウェアのテクノロジーを取り込んで他社製品に対する優位性を創出するとファウラー氏は言う。
この方針で開発が進められているものの1つが、ストレージ製品。Oracleには現状、Exadataで利用しているDatabase Storageがあり、これにはデータベースの性能を最大限に引き出すためのソフトウェア技術が組み込まれている。ここで培った技術を、汎用のNAS製品のZFS StorageやSAN製品のPillar Axiomにも取り込んでいる。さらには、StorageTek テープストレージにも、データベースと組み合わせてより効率化するためのソフトウェア技術が組み込まれている。
たとえば、ZFS StorageやPillar Axiom 600には、データウェアハウスの処理で威力を発揮するHybrid Columnar Compressionが利用できる。この圧縮機能を使うことで、Exadataと同様ストレージ容量の利用効率5倍以上に向上する。さらに「ZFSには、仮想化の状況など、ストレージ上でいま何が行われているかを把握できる機能が備わっており、それにより効率化できる」とファウラー氏は言う。