サービス化する映像コンテンツ
テレビとはテレビジョンの略語であり、フランス語の「television」に由来する。"tele"はギリシア語で「遠く離れた」を意味し、"vision"はラテン語で「視界」を意味する。「遠く離れた物事を見る」ということが、テレビの本質と捕らえることができるだろう。
「遠く離れた物事を見る」ための受像機が「テレビ」だったとしたならば、すでにその役割を終えていると言ってよい。何故なら、パソコンでもスマートデバイスでもフィーチャーホンでもゲーム機でも「遠く離れた物事を見る」ことはできるようになっているからだ。「遠く離れた物事」自体も、それがテレビ局から放送された物である必要はない。ストリーミングで提供される物も「遠く離れた物事」である事に違いはない。
受像機も多様化し、受像機に表示するコンテンツも多様化している。すでに映像コンテンツは「テレビ」という機器特有の物ではなく、サービスとして様々なデバイス上で視聴できる時代になった。
そのため、今、「映像コンテンツ」を映し出す環境の変化に伴い、テレビを取り巻く環境が大きく動いている。現在のテレビを取り巻く環境を下図に記載する。
今回から二回に分けて「テレビの今」について考察する。