「機能や性能」から「体験価値」への“価値設計への転換”
日本企業の進化の方向性の3つ目のポイントは、「価値設計」です。価値設計にも、更に詳細なポイントとして、いくつかのポイントがあります。
1.「体験価値」による価値設計
1つ目のポイントは、「体験価値ベースへの価値設計の転換」です。
価値を設計する際に、今までの日本企業では、機能や性能をベースとした価値設計をすることが一般的でした。たとえば、TVやゲーム機なら画質の美しさや機能の多さ、携帯電話も音質や留守録機能など機能の多さ。自動車も同様です。モノづくりに限らず、食料品や衣服などの消費財、外食などサービス産業でも提供する商品の品質と価格、が設計の基本要素でした。
数少ない例外は、保険商品やカウンセリング型の化粧品で、化粧品そのもののコスト・機能や保険商品の純保険料(実際に契約者が受け取れる保険金の期待値)に加えて、ビューティカウンセラーや保険のプランナーによるカウンセリングで高付加価値化し、言い換えると、それだけの価格プレミアムや付加保険料を顧客から得られていた訳です。