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日本企業の進化論-激動の時代に生き残るための選択肢

新たなアウトソース手法で価値を高め、「多層化」による危機管理対応をプロセスに埋め込む-オペレーションの進化(2) 

(第7回)


前回は、日本企業の進化の方向性として4つ目である「オペレーションの進化のうち、“メッシュ型(相互発信型)”のオペレーション磨き上げ、業務プロセスのモジュール化を、解説しました。今回は、ソーシングの最適化、危機対応力を現場のプロセスの中に埋め込む、というポイントを解説します。今までの連載は、こちら。

ソーシングの最適化-業務プロセス全体を俯瞰しモジュール化する

 
   図1.「オペレーション」という4つの方向性(3)-「ソーシングの最適化」

3.ソーシングの最適化

  「オペレーション」で重要な3つ目の要素は、「ソーシングの最適化」です。そして、ソーシングの最適化には、2つの重要なポイントがあります。

 1つ目は、「ハイブリッドソーシング」です。自社(インソース)で行う業務プロセスと、アウトソース先に委託する業務プロセスを上手に組み合わせるので「“ハイブリッド”ソーシング」と呼んでいます。

 ハイブリッドソーシングは当然、単純なアウトソーシングではありません。アウトソーシングは下手をすると丸投げになってしまい、10年くらい前にアウトソーシングが流行ったときに、バックオフィスや事務など特定部署や機能組織の業務のかなりの部分を丸投げしてしまったせいで、貴重な社内ノウハウを失ってしまった企業が多くありました。

 気がつくと自社独自のノウハウやスキルが徐々に失われ、逆にアウトソース先の企業にノウハウが蓄積されていきました。こうなると、自社でプロセス全体は把握してコスト削減のためにアウトソーシングしていたはずが、アウトソース先がないと業務が回らず、依存せざるを得ないという本末転倒の状況に陥ってしまいます。実際に、このようなご相談を随分と、苦渋の表情でクライアント企業の役員から頂戴したものです。

 こうした事態を避けるために、プロセス全体を俯瞰してハイブリッドソーシングのグランドデザインを決める、つまり、「自社(インソース)でやるべき領域」と「アウトソースする領域」を明確に仕分けていく必要があります。そのためには、前述した「プロセスのモジュール化」が前提となります。業務プロセスをモジュール化し、どのプロセスを自社で行ってノウハウを担保するか、どのプロセスをアウトソーシングしてコスト効率化するか、設計します。そうすれば、ノウハウも流出せず、最適なコストで、業務プロセス全体を回すことができるようになります。

 自社のノウハウやプロセスを活かしつつ、部分的に外部企業にアウトソーシングや提携しようという発想は、欧米企業の方が強いかも知れません。自分たちが持たないノウハウやプロセスを有している企業はないかと、3MやP&Gは積極的に中小企業も含めて探し回っています。

次のページ
ITの進化が可能にさせるソーシング手法「ダイナミックソーシング」

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この記事の著者

ベイカレント・コンサルティング 萩平 和巳(ハギヒラ カズミ)

株式会社ベイカレント・コンサルティング 代表取締役社長。 京都大学にて情報工学を修了。 三菱商事(IT部門、戦略IT事業会社立上げ)、 マッキンゼー&カンパニーBTO日本共同代表を経て、 2011年にベイカレント・コンサルティングに入社。 2012年3月より現職。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/4612 2013/03/18 18:30

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