Oracle OpenWorldのキーノートにMicrosoftのエグゼクティブが初登場
「MicrosoftがOracle OpenWorldのキーノートで話をするのは、これが初めてのことです」と語るのは、Microsoft コーポレート バイスプレジデントでクラウドビジネスを担当しているブラッド・アンダーソン氏だ。彼は、両社が6月に行ったパートナーシップについて、その進捗を報告した。
「OracleとMicrosoftが協業することは、企業にとっての勝利だ」との声が市場からはあるとか。これは、両社がいがみ合っているよりも、協業したほうが企業ユーザーには大きなメリットがあると言うこと。
実際、Windows Serverが4台あれば、そのうちの3台でOracleのワークロードが動いており、WindowsでOracleが動くのはもっとも一般的なこと。データセンターにおいても、Webとデータベースのワークロードが、大きな部分を占めている。
そういった現状がある中で、Microsoftはクラウドビジョンとして、「Cloud OS」というもの掲げている。これはクラウドの環境も、一貫したものが必要ということ。顧客はオンプレミスで開発し将来はパブリックに移行したい、その際には苦労なく移行できるようにしたい。なので、Windows Server Hyper-vの環境でOracleの製品が動けば、オンプレミスでもクラウドでもアプリケーションを動かせる。つまりは「Cloud OS」のコンセプトに合致するのだ。
「さまざまなデータをどうやって統合するのか、ここはOracleとの協業が重要となるところです」(アンダーソン氏)
6月のOracleとの協業発表以降、現在までのところWindows AzureギャラリーにOracle Database、Weblogic Serverのイメージが追加されているとのこと。これらのイメージは、Windows AzureでもHyper-v上のLinuxでも動く。そして、これらを利用する際にはOracleのライセンスがすでに含まれている。なので、ユーザーはギャラリーで選択するだけで、Azureの上ですぐに利用できる。「これが、両社の協業の第一歩です。このようなものは、パブリッククラウドでは唯一のもので、6月に約束したことを言葉通りに実現しています」とアンダーソン氏は言う。
とはいえ、Microsoftが本当にまじめにOracleへのオファーをサポートしてくれるのか。この不安に対し「6月に約束したことは、プライベートでもパブリックでも本当にやっています」と、Microsoftの本気さをアンダーソン氏はアピールする。
こういったOracleとの協業の背景には、MicrosoftのLinuxとの関わりもある。MicrosoftはLinuxも重要だととらえており、これまでにもLinuxコミュニティーには貢献してきた。今後もこのサポートは続けていく。これにより、ユーザーは自由に好きなツールを選んで、必要なワークロードのMicrosoftの環境の上で処理できる。Oracleとの協業、Linuxコミュニティーへの貢献は、Microsoftとしてはユーザーへの選択肢の提供をじつげんするためだと説明する。
「OracleとMicrosoftのパートナーシップで、顧客には新しいビジネスチャンスが生まれます」(アンダーソン氏)
パブリッククラウドに、これだけの投資している会社はMicrosoft以外にないと自信を見せる。そのためにOEM各社ともとしっかりと協業しており、「それが我々のDNAです」ともアンダーソン氏は語った。