在庫が"必要悪"と言われるわけ
本文のはじめにある通り、一般的に在庫は必要悪という風に言われます。
小売り店では店頭に商品が無くなってしまえば、すべて予約販売ということになります。みなさんは、例えば大手電気店に行って買いたいものが持ち帰れないとしたら、その商品をその店で買いますか。多くの場合、買わないでしょう。
消費者にとってその場で目的の商品が購入できるというのは、小売店のあるべき姿だろうと考えられます。受注生産の製造業を除いて、いわゆる見込み生産をする製造業ではある程度の製品在庫を持たなければなりません。これは、さきほどの消費者対小売店と同じようなビジネスモデルと考えて良いでしょう。
つまり、在庫は持たなければならないものなのです。では、一般的に在庫を持つことによるデメリットやメリットについて考えていきましょう。
在庫があることによるデメリット
はじめに、在庫があることによるデメリットを見てみましょう。ここでは適正な在庫量を持っているということではなく、適正と考えられる以上の在庫を持っていると、考えることにしましょう。さぁ、在庫が多すぎるとどんな問題が起きそうでしょうか。
- 在庫を置く場所が必要になる
- 在庫を探したりする、管理する手間が増える
- そもそも仕入量が増えている
- つまり、コストがかかる
在庫を持つことは、流通業で言えば仕入れを増やすことになりますから、当然コストがかかることになります。
また、一般的には多くの企業が運転資金と称して、仕入れのためのお金を銀行から借りているケースがあります。
となると、借りたお金で在庫を買っていますから、在庫を眠らせるということは借入金を眠らせることと同じになります。
借入金には利子はつきものです。しかし、在庫は眠らせていても、その量が増えるわけではありません。むしろ、在庫は1秒1秒陳腐化していき、価値が減ってしまうものと考えるべきです。
利子がつく一方、在庫は陳腐化していくのでは踏んだり蹴ったりです。このように考えると、在庫過剰に持ちすぎるのは企業経営を圧迫していくひとつの要因になりうるわけです。