vGPUを使えば高度なグラフィックス処理が必要なアプリケーションもVDIで集約できる
エンタープライズでのGPU活用は、ディープラーニングだけではない。たとえば、仮想GPU(vGPU)がある。これはハイパーバイザ上に構築した仮想マシンにクライアントOSを導入し、表示画面だけをネットワーク経由でPCやタブレットに渡すいわゆるVDI(仮想デスクトップ)に使用される技術で、CADやCGなどのグラフィック処理の負荷が高いアプリケーションをVDI上で動かすことが可能となる。田上氏によれば、ひとつのGPUボードで8~16VDIへGPUリソースを割り当てられるという。
通常、グラフィック処理の重たいアプリケーションを利用したければ、利用者の手許にグラフィックワークステーションを配置することになる。これでは重要な設計データなども分散してしまう。ならば、ファイルサーバーで管理すればいいのではと思うかもしれないが、その場合は大量なグラフィックスデータがファイルサーバーとワークステーション間でやり取りされ、それがネットワークボトルネックになり十分なパフォーマンスが得られないことも多い。vGPUでサーバーに集約できれば、BCPやセキュリティの観点からも集中管理がやりやすくなるのだ。
「vGPUでワークステーション環境を集約する場合は、vGPUのサーバーとファイルサーバー間のネットワーク帯域だけを確保すればいいのです。それで、リモートからでも十分なデータIOの性能が得られます」(田上氏)
GPUを活用するハイパフォーマンス・コンピューティング環境
現時点でディープラーニングやvGPUの処理に最適なマシンだと田上氏が語るのが、前出の「PowerEdge C4130」だ。C4130には、わずか1Uサイズの筐体に4枚のGPUボードを搭載できる。「GPUを2枚搭載できるマシンは他にもありますが、この大きさに4枚搭載できるサーバーはユニークです」と田上氏。このGPUボードの高密度化により、省スペース化はもちろん、大きな消費電力の削減も可能となる。さらにC4130にはInfiniBandを搭載しており、高性能なGPUクラスター構成も可能だ。もちろんHadoopを動かすサーバーとも、高速なデータのやり取りができる。
ではこのC4130とNVIDIAのGPUを組み合わせて利用すると、いったいどれくらい効率的かつ高速に並列計算などが行えるのだろうか。
「ディープラーニングについては、サーバーのCPUだけで処理する場合と比べ20倍以上高速化できたベンチマーク結果があります。ディープラーニング以外にも、ライフサイエンス、石油やガスなどの資源分野でのシミュレーション、データ分析、天気や天候の予測、計算流動力学などの領域で実績あるアプリケーションでベンチマークを行っており、いずれも数倍から数十倍の性能が発揮できています」(田上氏)
ベンチマークの詳細は『デル GPU アクセラレーター HPC用ソリューション』というドキュメント(リンク入る)を参照されたい。
また、東京・三田にある「デルGPUソリューションラボ」では、GPUを活用するためのデモ環境も常設されている。なので、実際に導入する前にPoCなどを実施することも可能だ。さらには、導入を検討している人向けの評価機の貸し出しも実施している。
ディープラーニングやvGPUの基盤構成は手間がかかる。そういった環境を事前に組み上げ提供するサービスもデルにはある。ディープラーニングを活用したい、そんな考えを持っているのなら、一度デルへ相談してみるといいだろう。
あわせて読みたい!
デル GPU アクセラレーター HPC用ソリューション
C4130とNVIDIAのGPUを組み合わせて利用すると効率的かつ高速に並列計算が行なえます!ベンチマークの詳細はこちらからどうぞ!