Dell EMCのハイパーコンバージドインフラはここが違う
もう少し詳しくDell EMC製品で「コンバージドインフラ(以下、CI)」と「ハイパーコンバージドインフラ(以下、HCI)」を比較していこう。
Chen氏は「今までのシステムは『塩漬け』運用が主流でした」と話す。一度システムやインフラを構築すると、よほどの必要性がない限り更新しない。これが「塩漬けにする」ということ。なぜなら更新のために複雑な検証や作業に工数を割くことは現場にとって「地獄」だからだ。日本だとその傾向が高いという。
塩漬けにするのはリスクを回避するためとはいえ、更新をすることで最新の機能を利用できたり、ファームのバグによるトラブルを回避するなどのメリットがある。工数を割くことなく最新かつ最良の状態で使えればいいのだが、自作だとハードルが高かった。しかしDell EMCのCIであれば理想の「いいとこ取り」ができる。Dell EMC製品ラインアップにおいてCIは「Vblock/VxBlock」シリーズになる。
なお同社では「Release Certification Matrix」にそって互換性の検証、検証済みのアップデート手順や作業が進められている。実際の検証はアメリカのマサチューセッツ州やカリフォルニア州にある大規模なラボ環境で行われ、その規模は半端ではない。常に検証専任のエンジニアが500人おり、アップデートするだけでも数百時間単位の時間をかけている。「とことん検証します」とChen氏は強調する。
2015年5月にIDCが出したホワイトペーパー(※1)には「Dell EMC Vblock/VxBlock製品ではダウンタイムは96%減少し、システムの安定運用に費やす時間は41%短縮される」と記されている。
※1 https://japan.emc.com/collateral/vce/idc-business-value-whitepaper.pdf
CIでも上記の通り。HCIではどうか。先述したように、HCIではSANストレージがSDSに変わる。SDSは、サーバのローカルディスクをソフトウェアで束ねて、ネットワーク越しでI/O処理を行うため、性能面がレガシーSANストレージに比べて劣ると思われがちですが、まったくそういうことはないという。実際にDell EMC ScaleIOで構築した128ノード環境において100%リードI/Oで測定したところ、3100万超のIOPSを達成した。Chen氏は他ベンダーの最上位SANストレージの「8倍」の価格性能比にあたると考えている。