SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

DB Press

実は8割の顧客が収益を生み出していなかった!―TeradataのCRMで「じぶん銀行」があらたに生み出した200通りのシナリオ


 Teradata Partnersは、もともとテラデータのユーザー会が主催するユーザー同士の情報交換を目的にしたカンファレンスイベント。そのため数多くのテラデータユーザーが、自社でテラデータ製品をどのように活用しているかを紹介するセッションが行われる。今年は、日本からの参加者によるセッションもさらに増えており、テラデータが日本で順調なビジネスを行っている様子が覗える。そんな日本のユーザー事例の1つとして紹介されたのが、じぶん銀行のCRMだった。

顧客データ分析で気づいた、収益と費用の関係性

 三菱東京UFJ銀行とキャリアのKDDIが50:50の割合で共同出資し設立された「じぶん銀行」。

「『じぶん』という名前はセルフの銀行という意味合いから来ています」と説明するのは、じぶん銀行 執行役員 マーケティングユニット長 兼 営業副ユニット長 兼 経営戦略部部長の井上大輔氏だ。じぶん銀行の創業は2008年、まだ新しい銀行だ。開業当初は世の中はまだフューチャーフォンの時代、KDDIによる携帯電話を通じ利用できる銀行をとの構想に基づき設立された。時代は変わり、現在は当然ながらスマートフォンに全面的に対応している。

じぶん銀行 執行役員 マーケティングユニット長 兼 営業副ユニット長 兼 経営戦略部部長の井上大輔氏
じぶん銀行
執行役員 マーケティングユニット長 兼 営業副ユニット長 兼 経営戦略部部長
井上大輔氏

「ネット銀行の中でも、スマートフォンに特化しています。特徴的なのは、20代から40代、さらには50代という比較的若い世代の利用者が8割近くを占めていることです。さらに他のネット銀行と比べて、女性の比率が多いと言うのもあります」(井上氏)

 開業以来、口座数および預金残高は右肩上がりで増加している。もちろんマイナス金利政策のあおりも受け、あまり預金残高が増えない状況も今はある。

 じぶん銀行の最大の特長は、スマートフォンのアプリケーションで銀行業務の全てが行えることだ。他のネット銀行では、スマートフォン経由では行えない取引も多い。「スマートフォンアプリケーションをATMにかざすだけで現金を引き出せるというのは、じぶん銀行が最初に実現しました。さらに住宅ローンの取引も、オンラインだけで完結します」とのこと。

 そのようにネット、スマートフォンに特化し順調に成長しているように見えるじぶん銀行にも、2つの課題があった。1つが顧客の数がまだまだ少ないこと。9,000万人を超える会員数がある楽天グループ、その金融機関である楽天銀行には600万人ほどの利用者がある。一方、KDDIと三菱東京UFJ銀行には、それぞれ4,800万、4,000万ほどの利用者がいるが、じぶん銀行の利用者は250万人ほどにとどまっている。

 もう1つの課題が収益と費用の関係性だ。顧客のデータを分析し収益と費用から利用者を分類すると、4割近くの利用者が売り上げにあまり貢献できていないと分かった。さらに費用だけかかっている顧客、口座はあるがほとんど利用されていない顧客を合わせると、じつに8割近い顧客が収益にはほとんどつながっていないことが明らかになったのだ。

 そこでまずは利用者を増やすために、KDDIの携帯電話サービスであるauとの連携を強めている。auのような大手携帯キャリアは、格安携帯サービスとの競合で利用者が流出傾向にある。流失を阻止するために、携帯電話以外のサービスを充実化しており、じぶん銀行もそんなサービスの1つと位置づけられている。さらにキャリア決済を活用するエコシステムを拡大し、クレジットカードや電子マネー、au WALLETなどと連携する銀行としてじぶん銀行を活用してもらうよう取り組んでいる。

次のページ
CRMで顧客とのパイプラインを再定義する

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/9999 2017/11/10 13:51

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング