「データベースベンダーの日立」って何かしっくり来ない…
「データベースベンダー」と聞いて、皆さんはどんな会社のことを思い浮かべるだろうか? 恐らくは、真っ先に挙がるのがオラクル、マイクロソフトあたり、次にDB2を提供しているIBM、TeradataやSybaseといったデータウェアハウスのベンダー、最近だとHANAで話題を集めるSAPあたりか……こうしてあらためて挙げてみると、どれも海外の企業ばかりだ。
「日立もデータベースベンダーなんです!」
こう反論するのは、日立製作所(以下、日立)でデータベース開発に従事する、同社 ソフトウェア本部 DB設計部 主任技師の石川太一さんだ。
「日立も、データベースベンダーなんですよ!!」
2回言った。2回言った。声も大きい。そして熱い。日立のデータベースについて語る石川さんの口調は、本当に熱い。その熱気に押されるあまり、「そうだ、日立はHiRDBを作っていたんだ」と思い出す。でも失礼ながら、海外製品に比べればあまり……。
「HiRDBって、特殊でマイナーな製品だと思っていませんか?」
……スイマセン、そう思ってました。でも実際、Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Serverに比べれば、その名前を聞く機会は圧倒的に少ないような。
「確かに、海外ベンダーの製品が全盛の今、なぜわざわざ自前でデータベースを開発するのか、謎だと思ってる人も多いんですよね。でも、データベースを自製しているのには、れっきとした理由があるんです。それに、作っているのはHiRDBだけじゃないんですよ」
そうか、そうだったのか。日立はデータベースベンダーだったのか。「データベースベンダーの日立」。うーん……正直、まだしっくり来ない。恐らくは、読者の皆さんの多くも、同じような印象を受けるのではないだろうか?
というわけで、本連載ではこれから何回かに分けて、「データベースベンダーとしての日立」の姿を、いろんな角度から検証していきたい。日立って、本当の本当にデータベースベンダーなの?