1月30日、Mirakl(ミラクル)は、レポート『国内BtoC-EC市場の近未来予想と活性化への期待』公開にともなう記者説明会を開催した。
はじめに、Mirakl日本法人代表 社長 佐藤恭平氏が「当社はFrench Techを代表するユニコーン企業」だと説明。同社の創業者2名がSpiliGamesを立ち上げると2008年にFnacが買収し、2012年にMiraklとしてスピンオフしている。
約400社ほどのユーザーがグローバルにいるとして、Amazonや楽天といった巨大ECモールや自社ECサイトに次ぐ、顧客・分野別マーケットプレイスとして同社のSaaSプラットフォームで新たな選択肢を提供していると説明した。
次に、レポート『国内BtoC-EC市場の近未来予想と活性化への期待』について、デジタルコマース総合研究所 代表取締役 本谷知彦氏が解説。はじめに国内EC市場の特性について、プラットフォーマーが市場規模全体に占める比率が7割と高いことを紹介し、大手プラットフォームを網羅するように利用したり、特定のプラットフォームに絞ったり、あるいは自社ECサイトに特化するケースが見受けられるなど、EC事業者によるプラットフォームの活用は一様でないとした。
その一方で本谷氏は、「とはいえ、プラットフォームへの依存度が高いのが日本の現状です」と続ける。同氏は図を示すと、グラフが“「極薄L字型」超ロングテール”のような形になっていると指摘し、日本のEC市場には良い商材が数多く埋もれているのではないかと述べる。
加えて、諸外国と比較すると“EC化率”は低い傾向にあるものの小売拠点数はアメリカなどとほぼ変わらないとして、面積比や人口比で考えたときに育ちづらい環境があったのではないかと推察。今後の市場展望として、類似市場である携帯電話市場とコンビニ市場の数値と比較しながら、「コンビニ市場は45年でピークアウト、携帯電話市場は28年でピークアウトしている。市場規模の拡大ペースがダウンし始めており、EC市場も30年から35年程でピークアウトを迎えるのではないか」と述べると、想定されうる4つのシナリオパターンを提示した。
1つ目のシナリオは、大手プラットフォームが市場拡大を続けるというもので、2つ目に新規大手プラットフォームが市場を席捲するシナリオが考えられるものの、どちらも現実味がなく確率も低いとした。また、3つ目に「DtoC-EC」を挙げると「潮流は継続しており重要な市場であるものの、マーケットを根幹から変えていくには時間がかかる」と指摘する。そして、4つ目のシナリオとして「ミッドサイズプラットフォーマー」というメガプラットフォーマーと比較すると小さなプラットフォームの可能性を提示。MD(マーチャンダイザー)を容易に強化してプラットフォーム化できる仕組みやソリューションが整備されることができれば、短中期的な目線で見たときに新たな選択肢としての現実味が十分にあるとした。
最後に佐藤氏は、プラットフォームビジネスの優位性について説明を行うと「当社はグローバルで実証されており、エンタープライズのニーズにも対応できる。加えて、社内に150名以上のエキスパートがいるだけでなく、プラットフォームビジネスにおいては販売事業者も重要になってくるためエコシステムも充実している」と自信を覗かせて説明会を終えた。