国産クラウド「FJcloud」を使ったSaaS版は顧客に安心感も
インプリムでは、プリザンターのSaaS版を利用する際に、プラットフォームとして富士通が提供する「FJcloud」を選択可能とした。FJcloudを選択できることで、富士通ブランドのサービスの上で動くこととなり「それが顧客に大きな安心感を与えています」と内田氏は言う。その上で日本語サポートを受けられるのも、大きな安心感につながっている。既に4年ほどFJcloudを利用しているが「トラブルがなく、ものすごく安定しています」とのこと。
また、データベースにはPostgreSQLをベースに富士通の独自技術で「セキュリティ」「性能」「信頼性」を強化したデータベース「Enterprise Postgres」も選択できる。PostgreSQL導入に不安を持つユーザーには、導入から運用までの各種サービスや保守サポートを富士通側に依頼することも可能。大企業をターゲットにするインプリムにとって、高い安定性があり信頼できることは極めて重要だと言う。
サクサク動く「快適な操作性」と「高い汎用性」
プリザンターはレスポンスが良く、操作を快適に行える点を最大のこだわりとしている。「以前、あるプロジェクトで使っていたツールは、1つの画面を開くのに30秒くらいかかりました。表示される画面には数百件のインシデント情報があり、それを毎日棚卸ししなければならない。そうなると画面を開く30秒がすごくもったいないのです」と内田氏。当時はぎりぎりの時間の中で仕事をしていたこともあり、1秒、2秒でも早いレスポンスは重要だった。このような経験からプリザンターでは、レスポンス良く快適に動くことにこだわり、ユーザーインターフェイスのエンジンも独自開発している。
もう1つ、汎用性の高さもプリザンターが支持される理由だ。プロジェクトや営業案件の管理など、すぐに利用できる様々な業務向け機能があらかじめ用意されている。「営業日報や商談管理、顧客管理など分野ごとのテンプレートが用意されており、ツールを立ち上げてすぐに対象業務の管理が行えます。営業担当でもSEでも誰でも容易に使えるのは、Excelなどと同じです」と内田氏は言う。
さらに画面上のマウス操作だけで機能を実現できるのはもちろん、スクリプトなどを記述し外部システムとの連携などのカスタマイズも容易だ。「フロントエンドの機能をノーコード、ローコードで追加するだけでは限界もあります。フロントだけでは実現できない機能も、バックエンド部分で少ないコードで実装できるのがプリザンターの強みです」と内田氏。これにより画面上で操作する機能だけでなく、CSVファイルのAPIを使ったインポート時の集計など、多様な処理の自動化も可能だ。
開発当初は、自身が所属する富士通グループにプリザンターを浸透させることを目指した。そこは狙い通りの結果になっていると内田氏。富士通グループはもちろん、自治体や官公庁、金融、製造、流通など、多くの人が所属する組織からの引き合いが多い。
FA機器メーカーでは、海外拠点を含めた案件情報の共有、管理でプリザンターを活用している。グローバルで大規模に利用でき、中国語やベトナム語など多言語対応が評価されての採用だ。地方の金融機関では窓口業務のセンター集約が進んでいるが、その際にプリザンターを使っている。複合機と連携して身分証明書データをセンターに渡す業務の効率化を実現しており、この機能はプリザンターがサーバーサイドで簡単に機能を作り込めたために実現している。
他にも保健所における新型コロナウイルス関連業務の効率化も。「新型コロナウイルス対応の業務は急に増えたもので、そのために一からアプリケーションを開発するのは難しいものがあります。多くがExcelなどで対処しますが、業務量が増えれば破綻します。そこでプリザンターを用いて簡単にアプリ化し、情報共有ができるようにしています。容易に導入できる点などが評価され、複数の自治体で利用が始まっています」と内田氏は言う。Notesの移行など、多様な事例が既に数多くある。