Rocketエンタープライズ製品によるレガシーシステムの刷新を評価
プロジェクトを振り返り、岡田氏は「期限内にプロジェクトが完遂したのは、パートナーであるキヤノンITSの協力のもと、『入念なアセスメント』『段階ごと適切な現新照合』『ツールの活用・徹底』が実現できたことが大きい」と語り、あらためてRocketエンタープライズ製品の導入効果を紹介した。
Rocketエンタープライズ製品の活用による最たるメリットは、データセンターへの移転や老朽化システムの刷新などの課題を一気に解決できたことに尽きるという。そして、その結果、保守性が格段に向上したことも大きな成果として捉えている。
バラバラだった言語がCOBOLに統一されて扱いやすくなり、OSがWindows/PowerShell、ジョブ管理がJP1という環境下でメインフレームの知識が不要になっただけでなく、従来通りJCLが使用でき、ジョブログなどの見方も変えずに済んだという。さらに未経験者でも開発に参画しやすくなったことで、既存の保守要員を引き継いでノウハウを承継できるようになった点もメリットだとする。他にも、従来メインフレームで増やせなかったテスト環境を増やし、キヤノンITSから提供されたメンテナンス用ツールでデータ確認が行いやすくなったことなども挙げられた。
そして、もう1つ。“運用コストの削減”も大きな成果として評価している。今回のオープン化にともない業務システムを最適化したことで、シンプルかつコンパクトなシステム構成とすることができた。これにより、ハードウェア/ソフトウェアに関する費用を最適化でき、運用保守の人員についても融通がきくような体制をつくりやすくなったという。
岡田氏は「リリースから半年以上が経過したが、オープン環境で保守案件を複数立ち上げ、問題なく開発が進められている。期間が限られた大変な開発だったが、システムのモダナイゼーションまで叶ったことで満足している」と語り、セッションのまとめとした。