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施策につなげる「打ち手」としてのデータ分析とは? ブレインパッド草野社長語る

外部リソースの活用で分析コストと成果のバランスを確保

 その化粧品通販業者では、新規会員加入の急増が落ち着き、売上増加が鈍化していた。さらに新規会員の中に、顧客単価や継続率の低い会員が増えてくるという状況があった。しかし、現状把握するための環境は、システム面、人材面ともに不足。そこで、業績の伸びの鈍化原因を特定して業績回復に効果的な打ち手を実施するために、ブレインパッドと共にプロジェクトを開始した。

 その進め方だが、単純なデータ項目のクロス表を作成していては、掛け算で仕様が増える。そこで情報系の帳票の作成やそのためのDB(DWH)をいきなり構築せず、ブレインパッドが過去ログを預かり、受託ベースで仮説を立てて分析することにした。アドホック(非定型)な分析を繰り返すことで、必要十分な分析項目、意味のある指標だけを残し、今後追うべき指標は何かを議論しながら構築。何が起きているか、問題を発見するための構造分析を半年ぐらい行った。その中で現状把握を実施し、課題解決のための適切な打ち手を立案、実施することで個客単価のアップやリピート増などの成果を得ることができた。

 この事例において、ブレインパッドは、施策見極めのためにシステムと人材を提供した。顧客は、その結果を基にシステムリプレースの段階で、施策実現環境を構築している。ここでのポイントは、外部リソースの活用により、必要十分なコストで結果を出したことにある。

 

ブレインパッドが目指す、統合分析環境サービス提供
ブレインパッドが目指す、統合分析環境サービス提供

 

 現在、ブレインパッドでは、社内のオンプレミスに存在していたデータ分析環境を、クラウドへ移行することを推進している。そこでは顧客向けに分析の支援をしながら、施策の実行支援までワンストップで提供する。草野氏は「クラウド上にデータを上げていただければ、あとは全部面倒を見ます」と語る。

 現在、DWHといくつかの分析ツールが連動するかたちなのだが、今後、BIをはじめとする視覚化ツールなどのクラウド化対応を強化していく予定だ。また、天候データや位置情報などの外部データなども、各種情報サービスと連携させ活用できる環境を作っていく。ユーザーが分析をするためのシステムをオンプレミスで作るのではなく、必要な時に迅速に始めることができる環境を用意し、どんどん拡張しているところだ。

 最後に草野氏は「コストを抑えてチャレンジすれば、絶対に成果が上がる。ぜひデータ分析を開始し、成果を上げていただきたい」と呼びかけ、セッションを閉じた。

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この記事の著者

久原 秀夫(クハラ ヒデオ)

フリーランス/ITライター

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