「ハード+PCソフト」から「ハード+PC+WEBサービス」の時代へ
「モノ+サービス」の製品開発の進化過程を確認してみましょう。この領域はこの10年間で、確実に成長し大きな進化を遂げました。
1. ハード+PCソフトの時代
モノにサービスを付加することで製品の付加価値が向上した最初の代表的なケースは、2000年代初頭に市場に登場する携帯音楽プレイヤーです。これらの製品は、それまでのハードウェア単体の製品に加えて、ソフトウェアやそれに付随するマーケットプレイスなどのサービスを付加することで、競争優位性を発揮し、既存製品にはなかった大きな付加価値を生み出しました。
これらの製品が登場した時代、まだスマートフォンもタブレットも一般的ではなかったため、多くのサービス・システムはPCとPC上で動くアプリケーションによって提供されました。例えばiPodでは、サービスプラットフォームとなるiTunesを利用するために、PCにアプリケーションをインストールする必要がありました。
2. ハード+PC+WEBサービスの時代
この状況が変化の兆しを見せるのは、2000年代半ばから後半にかけてWEBサービスが一般化した頃です。PCにインストールするソフトウェアに加えて、WEBブラウザでアクセスして利用する「WEBサービス」が一般化し始めました。
カメラメーカーが付加的なサービスとして、写真をWEB上にストックするためのストレージサービスを開発するようになりました。WEBサービスの領域はFlickrやYouTubeなどの汎用サービスの発展とともにユーザーの支持を得て、現在のクラウドサービスにつながる流れとなっています。