
DB Onlineの読者なら、韓国TmaxSoftが提供しているTibero RDBSというデータベースを知っている人もいるだろう。これ、簡単に言ってしまえば、Oracle Databaseの互換データベースだ。TmaxSoftはもともとはミドルウェア、中でもWebアプリケーションサーバーの「JEUS」の提供で、韓国においてはかなり実績あるベンダーだ。2014年の調査で韓国において31.4%のシェアを誇るOracle Weblogic、20.4%のIBM WebSphereを押さえ、JEUSは42.1%という大きなシェアを獲得している。
Tibero RDBMSならOracle RACも移行できる
このWebアプリケーションサーバーでの実績を持って、同社が次にターゲットとしたのがデータベース。「Tibero RDBMSは2003年に1.0を提供し、2006年には3.0を出しました。Webアプリケーションサーバーの実績があったので、データベースもすぐに使われると思いましたが、顧客は実績などを重視してなのかなかなか市場では評価されませんでした」と言うのは、日本ティーマックスソフト 代表取締役副社長の羅 鍾弼氏だ。
データベースは、韓国においてもOracleが数多く使われている。「他にもデータベースはあるのに、Oracleが使われています。これは、Oracle独自の機能が優れていて顧客がそれを使いたいがためだと考えました」と羅氏。そこで、同社が取り組むことにしたのがOracle Databaseとの互換性を確保すること。まずは、データベースのデータタイプ、インターフェイスをOracleに合わせることから始めた。しかし、そういった互換性を確保しても、ミッションクリティカル領域などでTibero RDBMSはなかなか採用されなかった。
その理由の1つがOracle Real Application Clusters(RAC)がないことだったと羅氏は言う。そこで、TmaxSoftでは、Oracle RACと同様のクラスタリング機能を提供する「TAC」というクラスター機能を開発する。このTACを持ったTibero 4.0を提供したのが2008年11月だ。2011年にはTACのクラスタリング機能を強化したTibero 5.0を提供した。さらに2015年中には、Tibero Active StorageというOracle Automatic Storage Managementのような機能を追加するなど、新たな拡張機能を搭載するTibero 6.0の提供を計画している。
「Tibero 5.0でOracleとの互換性としては高いものを実現しました。その結果、現在までに顧客は900社くらいまで増えました。JEUSのときも顧客が1,000社を超えるあたりから大きく伸びたので、Tiberoも大きく伸びるのはこれからだと思っています」(羅氏)
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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