アドビのソフトは、Windowsのほうが使い勝手がいい?
2015年10月5日から3日間、アメリカのロサンゼルスでアドビシステムズ主催のAdobe MAX 2015が開催された。2000年のITバブル期には10万円以上かかるIT系イベントが数多く存在した。その多くは現在参加費無料が当たり前になりつつあるが、Adobe MAXは1,595ドル(2015年10月時点で約19万円)の参加費がかかるが、(すべてのスケジュールに参加した場合)昨年は4,000人ほどだった本イベントだが、今年は倍近い7,000人が参加し大盛況となった。この時代において、高額な参加費でも満員になるのは、WWDC(アップルの開発者向け会議)とAdobe MAXだけではないだろうか。
本イベントを主催するアドビシステムズは、パロアルト研究所出身のチャールズ・ゲシキー氏とジョン・ワーノック氏が1982年に設立した会社で、DTP(デスクトップパブリッシング=書籍、新聞などの編集に際して行う割り付けなどの作業をパソコン上で行なうこと)を核にスタートさせた。
設立当初に、高精度なレーザープリンターを開発していたアップルのスティーブ・ジョブズ氏が、彼らのページ記述言語を採用したことから、アドビのソフトウェアはMacを中心にスタートしたと言われ、後にも「デザインといえばMac」となり、Macは多くのデザイナーに親しまれてきた。
しかし、今回の発表を見ていると、今までの流れとはうって変わり、アドビのパソコン用ソフトウェアはWindowsを中心に最適化されているように見える。また同時にマイクロソフトが発表したSurface Bookは、最新のMacBook Pro(レティナディスプレイモデル)よりも処理速度が速くなったと謳っており、今までどれも重く感じられたアドビのソフトウェアが劇的に速く、そして軽く使えるようになったと言われている。このことで、これからのデザイナーは、Macにこだわることなくパソコンを幅広く選定することができるようになったということになる。
今までもWindows PCでホームページ制作をしている会社はかなり多く存在していたが、しかし多くのWebデザイナーはMacを使っていた。会社支給がWindows PCの場合、個人でMacを購入して仕事に使っている、というホームページ制作会社の社員デザイナーは多かった。しかし、これからはWindows PCだけで問題なく、むしろ使い勝手がいいという可能性が広がってきたのだ。