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「もっとシステムの運用フェーズに目を向けるべき」日本郵政 小松副社長が語るIT部門の役割とは?


 郵便制度開始後140年以上にわたって郵便および貯金のサービスを提供し、保険事業においても100年の歴史を有する日本郵政グループ。同グループにおける共通IT基盤構築/管理やITガバナンスを統括するのが日本郵政株式会社 取締役兼代表執行役副社長の小松敏秀氏だ。小松氏は「ガートナー ソーシング&戦略的ベンダー・リレーションシップ サミット 2016」(6月24日開催)のゲスト基調講演に登壇し、これからのIT部門に期待される役割やIT担当者自身が持つべき意識について、日本郵政グループの取り組みを交えて解説した。

全国2万4,000の郵便局ネットワークを軸にサービスを拡充

 持株会社の日本郵政のもと、主要事業会社として日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社を有する日本郵政グループ。社員数は約40万人、全国に2万4,000以上の郵便局を配し、日々扱う郵便物は約6,100万通にも及ぶ。

 同グループでは2015年の上場(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社)を機に、さらなる成長・発展を遂げるための中期経営計画「新郵政ネットワーク創造プラン2017」を策定した。その中において、ITの活用および基盤整備は重要な戦略として位置づけられている。小松氏は同グループの特徴的なIT基盤について、次のように説明した。

日本郵政株式会社 取締役兼代表執行役副社長の小松敏秀氏

日本郵政株式会社 取締役兼代表執行役副社長の小松敏秀氏

 「郵便・物流や貯金・保険など、我々が展開するサービスのほとんどは、全国の『郵便局』を経由してお客様にご提供している。お客様へのサービス拡充のため、そして社員40万人の業務効率と品質向上のためには、必然的に郵便局を中心に物事を考えていかなければならない。それを根底で支えるIT基盤として、全国の郵便局をはじめとした各拠点の端末約40万台と、各種サービスを処理するシステム群を集約したデータセンターとをつなぐネットワークシステム『PNET』(郵政総合情報通信ネットワーク)がある。これは、日本郵政グループ全体にとってきわめて重要な共有資産だ」

 PNETは、全国の郵便局で安全かつ均一なサービスを展開するネットワーク基盤として、約30年前の1987年に運用開始された。以降、ネットワークの更改を繰り返し、2015年には「第5次PNET」としての更改が完了。国内2か所の集約拠点を経由して、各拠点(郵便局)と本番用/バックアップ用それぞれのデータセンターを結ぶ構成となっている。

 郵便局で提供されるサービスとして誰もがイメージしやすいのは、やはり郵便物の集荷・配達だろう。日本郵便では、1日あたり約3,000万か所に郵便物を配達しており、全国平均で98.6%という高い送達日数達成率を実現している。こうした業務も、PNETをはじめとした高品質なIT基盤によって支えられている。

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「もっとシステムの運用フェーズに目を向けるべき」

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