ExadataやExalogicの管理機能も強化
EM 12cでは、クラウド関連の新機能だけでなく、従来提供してきたOracle製品の管理機能も強化されている。
その1つが、新たなアプリケーション製品であるFusion Applicationsの管理だ。システム環境にFusion Applicationsのモジュールが導入されれば、EM 12cはそれを自動で検出する。
「EM 12cでは、Fusion Applicationsのすべてを把握でき、アプリケーションを含むシステム全体を管理できるようになります。これにより、ビジネスとITの双方の評価基準を組み合わせ、システムにどんな問題があるかを管理できます」(タン氏)
IT面からだけでなくビジネス面からも、たとえば性能が十分でないといったことを評価、監視し、適切な運用管理ができるとのことだ。
さらに、ミドルウェアの診断を行う機能も強化された。アプリケーションサーバーなどのミドルウェア層のチューニングをアドバイスする機能が強化され、ミドルウェア層のスケールアップ、スケールアウトをEM 12cを用いて容易に行えるようになっている。これらを活用すれば、システム全体の管理負荷が軽減され、TCOの削減にもつながる。
このほかにも、EM 12cではExadataやExalogicの管理機能も強化された。実際のシステム構成をグラフィックに表示し、そこからアプリケーションからハードウェアの問題に至るまで、直感的な監視、管理を実現している。そして、ExadataやExalogicから日々の稼動状況情報をEM 12cで収集し、それをOracleのサポートにリモートで渡しておくことで、プロアクティブなサポート体制も確立しているという。
「EM 12cは3年間かけて開発を行い、次世代の管理ツールに進化しています」(タン氏)
その結果生まれた直感的なユーザーインターフェイスは、β製品を事前評価した顧客やパートナー各社からも評判が高いという。また、EM 12cはフレームワークをベースにしたアーキテクチャとなっており、フレームワークにプラグインを刺す形で機能追加できる。今後新しい機能が出てくれば、それをダウンロードしフレームワークに刺すだけで利用できる。EMは、今後もさらなる進化を続けていくことになるのだろう。
そして、このプラグインは、Oracleだけが提供するわけではない。パートナー各社も自社製品との連携強化などを目的に、プラグインを開発できるのだ。実際、NECでは自社ストレージ製品をOracle Databaseで利用する際に、EM 12cから詳細に管理できるようにするプラグインを以前から提供しており、EM 12cにもいち早く対応している。