Oracleとの互換性の高さと仮想化環境でのコスト最適化がポイントに
引き続き登場したアシストの徳原氏は、アシストにおけるEDBの事例を紹介した。アシストでも、EDBのビジネスは前年比で150%以上成長している。Oracle Database Standard Editionのライセンス変更をきっかけにEDBへの引き合いが増えているのだが、実際のビジネスではEnterprise Editionからの移行が65%を占めている。新規でEDBを採用する顧客も30%ほどいるそうだ。
またEDBを利用する顧客の半分ほどが仮想化サーバーの上で利用していると言う。これはOracle DatabaseではVMwareなどの仮想環境を利用する際に、稼働対象のすべてのプロセッサを課金対象としてカウントするのでライセンス費用が高騰してしまう課題があるからだと徳原氏は指摘する。EDBならば、実際に割り当てるプロセッサ分のライセンスを購入するだけでいいのだ。
実際にアシストが手がけた顧客として紹介されたのがコープネットの事例だ。コープネットの商品在庫の管理システムでEDBが採用されている。これはOracle Database Enterprise Editionからの移行で、稼働環境を仮想化することがきっかけだったと言う。Oracleのスキルを持っているエンジニアがそのままEDBでも活かすことができたのが、移行を成功させる1つのポイントとなっている。
もう1つは大手SI企業の事例で、ここではEDIのシステムをOracle Database Enterprise Editionから移行している。「システム的には成熟化したもので、維持コストを最適化するためにEDBが採用されました」と徳原氏。この事例では、Oracle DatabaseとのSQL互換性の高さが採用のポイントになった。このときは、SQLの互換性は98%あり、マイグレーションツールを利用することでスムースな移行が実現できたと言う。同様に互換性を重視したアイテック阪急阪神の事例では、SQLの互換性はほぼ100%だったとのこと。結果的にアプリケーションの改修はほとんど必要なかったそうだ。
大和総研ビジネス・イノベーションの事例は、エネルギー管理システムにおけるEDBの活用だ。これはスマートメータからのセンサーデータの収集、加工、集計でEDBが利用されているIoTの事例だ。IoTのように今後どう成長、変化するかの予測がしにくい領域では、初期段階に大きな投資がしにくい。そのような場合には、スモールスタートでき柔軟な拡張性があるEDBが評価された。
ANAシステムズの事例は、ANAグループで標準となっているOracle以外のデータベースを選択する際の、使い分けのガイドライン作成をアシストでサポートしている。「ここでも、Oracleとの互換性や仮想化環境への対応が大きなポイントとなっています」と徳原氏は語る。
EDBもOracleも熟知しているアシストだからできるサービスがある
アシストでは、商用データベースからの移行でどのような手間がかかるかを、アセスメントサービスの形で提供している。
「アシストが移行の際のチェックポイントを調べレポートします。それにより移行のハードルが高いのか、行けそうなのかを判断できるようにしています。アシストにはEDBの実績だけでなく、Oracle Databaseについても30年以上の豊富な経験値があります」(徳原氏)
データベースの経験値が豊富なアシストだからできるサービスがあり、EDBへの移行後の運用体制も含めてサポートできるのがアシストの強みと言えそうだ。