大手だけでなく中堅、中小企業も異種データベースを活用している
Q:まずはDBMotoを提供しているHiT Softwareについて教えてください。
ロレンツィーニ:HiT Softwareは、SAPのERP導入コンサルティングなどに強味を持っているBackOffice Associatesのグループ会社の1つです。BackOfficeには、Data Store Ship Platformというデータの移行ソリューションがあり、そこにDBMotoが組み込まれています。
DBMotoを提供しているHiT Softwareは、データ統合にフォーカスした企業です。エンタープライズ企業向けに、異種データベースのデータ統合のソリューションを提供しています。DBMotoを活用することで、たとえばDB2からOracleへと、異種データベース間でデータをキャプチャしてレプリケーションできます。
HiTのビジネスは米国、ヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカなど世界に展開しており、すでに20年ほどの経験があります。日本法人はありませんが、日本ではパートナーであるクライムとビジネスを展開しています。製品の日本語化などもクライムが行っています。日本でもクボタなど多様な企業にDBMotoは導入されており、ビジネスは伸びています。
HiTではDBMotoが主要製品ですが、他にもIBM DB2をさまざまなデータベースとつなぐためのドライバー群である「DB2 Connectivity」や、XML形式のデータをリレーショナルデータベースに取り込む際のマッパー「Allora」なども提供しています。
Q:ここ最近で、複数の異種データベースを利用する顧客の状況に変化はありますか。
ロレンツィーニ:従来、複数の種類のデータベースを利用し、それらの間でリアルタイムにデータを連携していたのは大手企業が中心でした。ここ最近は中堅、中小企業も異種データベースを利用しており、リアルタイムにデータ連携しようすとする動きが出ています。
異種データベース間のレプリケーションの用途としては、基幹系システムやセントラルデータウェアハウスから事業部などが利用するデータベースにリアルタイムにデータを渡すものがあります。多くのユーザーがセントラルのデータベースにアクセスするのではなく、分散させ負荷を低減するのが目的です。この場合はデータウェアハウスやBI、アナリティクス領域での利用になります。
もう1つは災害対策です。DBMotoは災害対策用ツールではありませんが、データベースのデータだけでも確実にバックアップしておきたいという用途で使われています。一般の災害対策用のソフトウェアなどよりも、レプリケーションで安価にバックアップがとれるメリットがあります。